教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするために、現場目線での情報発信をしていきたいと思います。

宮城県丸森町立耕野小学校 プログラミング授業実践レポート No.2(2019年9月27日)

 2019年9月27日に宮城県丸森町立耕野小学校でプログラミング授業をさせていただきました。今回のプログラミング授業は3年生、4年生、5年生の子どもたち5名を対象にしたものです。教科領域は「総合的な学習の時間」で、2時間連続で1単元として実施しました。今回は、後半の授業の様子をレポートします。

 後半はScratch3.0に挑戦しました。iPadでオンラインアクセスしました。コードにペンを追加してから、アルゴロジックと同じようにドラッグ&ドロップで操作できることを、イベントから「はたが押されたとき」を出すことで体験させて、それに近づけてブロックをくっつけていくこと、ブロックを消すときはもとのエリアにドラッグ&ドロップすることを指導しました。その後はすぐに体験の時間にしました。課題は「ねこに正方形をかかせるプログラムを作ろう!」としました。
f:id:ict_in_education:20191003222714p:plain

scratch.mit.edu

 子どもたちは「今の時点でどのように動くのか」を繰り返し試しながら活動していましたが、そのままでは一度試した後にスプライトを初期化(ねこの向きも、位置も、プログラム実行前の状態に戻す)ことができません。イベントを一つ追加して「全部消す」を付けると線を消せることは教えました。
 スプライトをドラッグ&ドロップで動かせることを指導するか、授業前から考えていたのですが、向きも初期化しないと子どもたちは嫌がるだろうと予測したことと、平面上の位置として座標の感覚を持ってもらった方が今後の学習に繋げられると考えたことから、スプライトの座標と向きの数値を変えて初期化する方法を採用してみました。3年生もいるので難しいことを言っても仕方がないと思い「ここの数字を変えることで元に戻せるよ。やってみよう!」と声掛けして活動させました。本時だけではこちらの意図は伝わっていない可能性が高いですが、これからたくさん経験していく中で、また算数の学習を進めていく中で、徐々に理解できるようになればいいなと考えました。
 操作そのものは子どもたちはすぐにできるようになり、ブロックを追加しながら正方形を書くプログラムを完成させることができました。もちろん「繰り返し」ブロックは使っていなかったので、「もっと短いプログラムで正方形が描けるブロックがあるよ。この後にプログラミングをするときはそれを探して使ってみてね」と声掛けして活動を終えました。

 授業の最後には振り返りの時間を持ちました。子どもたちには授業のはじめにめあてを示しておいたので、それに合わせて

  • プログラミングを楽しむことができましたか?
  • 考えをプログラムで表すことができましたか?
  • 思うようにブロックを動かすことができましたか?

の3観点で、ハンドサインで答えてもらいました。
 感想を尋ねると「楽しかった!」「うまくできなくて悔しかった…」「慣れるまでちょっと難しかった」などの声が聞かれました。「すぐに、上手に、できなくていいんだよ。難しいことに挑戦してみることが大事。ああでもない、こうでもないって考えながら試してみることがいいことなんだよ」と話しました。授業の最後には、今日の体験のことをご家庭の方に伝えることを宿題にして終えました。

 プログラミングを教科指導に取り入れて学習を深化させたり理解を確かなものにしたりすることはとても重要です。しかし、PCやタブレットの操作技能、コンテンツ特有の手順等に対する慣れがないと、小学校の一単位時間はあっという間に終わってしまいます。そのためにも「慣れ親しむ」「興味関心を喚起する」時間を確保して体験させ、教科学習で活用するための下地を作っておくことが大切だとあらためて感じました。

 先生方も、こうした授業実践の一つを見たからと言って、明日から自分だけで授業に取り入れられるようになるわけではないと思います。来年度からの完全実施に向けて「こういうやりかたもあるのか」「私だったらこうするな」「別な方法はないものか」と考えることが必要だと思います。そのための時間や機会を確保して、実践まで繋ぐ研修も大事だと思います。耕野小学校では校内研修の一環として、この一連の流れを計画しています。10月に入りましたが、すぐに手を付ければまだ間に合うと思いますので、みなさんの参考にしていただければうれしいです。

 なお、丸森町のHPに写真が掲載されていますので、ご覧いただければと思います。
f:id:ict_in_education:20191003222743p:plain

 宮城県丸森町立耕野小学校の校長先生をはじめ、先生方、子どもたち、丸森町教育委員会のみなさん、ありがとうございました。

(佐藤)