教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするために、現場目線での情報発信をしていきたいと思います。

【先生用アンケート】「先生方が新しい取り組みを知る情報源」結果レポート No.3

 2019年9月16日から9月30日にかけて、「先生方が新しい取り組みを知る情報源は何ですか?」という先生向けのアンケートを行いました。たくさんの先生方や関係者の皆さまにSNSでシェアなどしていただきまして、合計で100件の回答をいただくことができました。お忙しい中、ご協力をいただきまして本当にありがとうございました。
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 アンケートの最後に、「何かメッセージなどございましたら、ご自由にお書きください。」とフリーコメント欄を設けました。とても多くの書き込みをいただきました。
 熱量の大きい書き込みが多く、大変勉強になりました。そして、まだまだやれることはあるのではないか、と気持ちを新たにしました。こうした一人称の言葉をたくさん聴くことは、学校に関わる仕事をしていくうえで、とても大切なことだと思っています。
 どのように並べようか、と考えましたが、あえて手を加えず、ほぼそのままの形で掲載させていただくことにしました。これを共有することが何の役に立つのかはわかりませんが、「情報を発信していくことで何かが生まれる」という考えを本ブログの大方針としていますので、次に何かが生まれるに違いないと思っています。

  • 本校の教員は、新しいものを導入することへの意識が希薄であり、むしろ抵抗感が極端に強い。仮に良いものであっても抵抗感を示し、これまでのやり方を踏襲して固執する傾向がある。
  • 教育の情報化は、環境が整わないためなかなか進みません。今ある環境でもできることをやっていくしかない状況です。これからもいろいろと教えてください。よろしくお願いいたします。
  • 今の職場は、職員間はとても穏やかで働きやすい環境ですが、教員研修等が学内で行われることはほとんどなく、新しい変化がありそうな場合は、積極的に外部に情報を取りに行くしか方法はない状況です。
  • 教育の新しい取り組みは、草の根の活動と制度の整備が噛み合うことが重要だと思います。各教員は特に学校外の研究会等に参加することで、時代の変化に敏感になって新しい取り組みの趣旨や内容を理解し、いざという時にはすぐに指導的活動ができる態勢を作っておくことが大切だと思います。
  • 固有の物やシステムが前面に出ている情報が教育の情報が多いように感じます。目指す事、背景などを前面に出していただけると、汎用性が増すように思います。
  • 私自身も変わることが基本的にはできない人間だと思っています。だからこれまで研修会に自分から参加することはまずありませんでした。でも4年前に為田さんとお会いしてから大きく変わったと思っています。為田さんを通じて本当にたくさんの方々を接することができるようになりましたし,自分で学ぶことが楽しいと感じるようになりました。それを少しでも担任している児童や勤務している学校と同僚に少しでも還元できればと思っています。
    自分で学ぶことについて,教師をやっていて何を今さらって感じですが,実は前の私と同じような教師は多いと思います。それだけに為田さんを代表に,民間の立場から(この表現も違和感を感じますが),学校に様々な提案や情報そして示唆を与えてくださることをありがたく思っています。
    これからもよろしくお願いします。
  • 学校でやろうと思うと、お金の問題がつきまとう。これも上手くやる術や補助について明らかにするのがよいと思う。
  • まずは、必要だな、と思わせる工夫が必要だと思います。そのあとで、どう情報を広めていくか、ということになると思います。一番重要なのは、学校の中に、率先して面白い実践をやってみる人。失敗を恐れずに挑戦する人を育てることが大切だと思います。
    そのためには
    1)失敗を恐れずに挑戦することを喜ぶ風土、それを認める寛容性
    2)「遊び」を許すカリキュラム的な、人的な、時間的な余裕
    この2点が必要です。
    そういう点で、現代の学校では、どちらも過去に比べ少なくなってきているため、新しい取り組むが進まないのだと思います。
  • たくさんの先生たちが新しい教育に興味があるけど、新しいチャレンジをする時間的余裕や精神的余裕がないようです。そういった人たちを支えようと思って学習会を主催しています。大きくは広まりませんが、少しずつ、でも確実に輪が広がっているように思います。結局、最も大切なものはメディアではなく発信する人であり受け取る人であるかなと思います。
  • いかに自分が恵まれた環境にいるかを痛感しています。一年で知り合いが5人も増えないようなことが当たり前なのが学校という場所です。その中で情報を得るのは鎖国時代の日本のような状況です。
  • 今年はだいぶ空気が変わってきている気がします。もう少しで閾値を超え、公立学校で号令がかかるような状況が後押しして、一気に広がるのではないかと期待しています。(希望的観測にならないことを祈りつつ)
  • 学校現場は、新しいことをスタートするのは一人ではなかなか難しいことだと思います。他校の先生とつながることで、がんばろうと思い続けることができます。(192cafeのような組織はありがたいです)
  • ネット社会とは言え、ネット環境の格差は依然として大きい。そういう意味では、県や各市町村の取り組み、学校関係、民間産業からのライブ発信の場は、とても重要だと思う。誰もが、学べる場が増える事で、児童・生徒・学生の学びも深まると考える。
  • 関心を持たない人や余裕がない人はたくさんいます。どうしようもない学校ほど、トップや管理職の意識改革が必要だと思います。なかなか届かない場合、一般のメディアで報道されることで、保護者など外部から圧力という手もあるかもしれません。
  • 教育の情報化は見た目ほどは進んでいません。教員自身の不勉強もありますが、予算を左右する議員(田舎になればなるほど)や推進計画をする行政の中途半端な理解や足かせが問題となるからです。
    現にある自治体では、表面上はICT機器の整備はほぼ100%ですが、中身はほとんどすべてが「Vista」で動く(しかも起動して使えるようになるまで1時間近くかかるという)などという実態があるのです。
    調査ではそういう事実は見えてきませんが。
  • いろいろなつながりをさらに幅広くコミュニティとして広げ、それぞれ点として奮闘している各地の教員をつなげていければと思います。
  • 研究校でどんなにICTを活用しても広がらない。また、教育委員会が推進しても広がらないのは、教員の雑用が多いからというのもあります。保護者対応や子供のケア等、専門職が入って仕事を分担し、教員は教材研究ができるだけの余裕が欲しいですね。カリキュラムマネイジメントと管理職が作ればいいものを教員に任せるようなことをされると新しいことを学ぶ意欲が失せます。
  • GEGはじめ○○勉強会、□□セミナーといったICT関連の組織が乱立していますが、そう遠くないうちに淘汰されるのではないかと考えます。その時までにバックグラウンドとなる地道な活動を残せるかどうか、ですね。
  • 情報を自ら取りに行く教員は情報源に関わらず取りに行きます
  • 私は地方の公立中学校に38年勤めてきましたが、公立の先生方の研修というのは、間違いなく教育委員会や教育事務所の主催のもので、校種さえ限られていることが当たり前でした(小学校は小学校の先生たちの研修、中学校は中学校、校種で混ざり合ったり、ましてや私立の先生方と一緒になるということはありません)。私もずっとそうやってきたのですが、タブレットを使うようになってガラッとかわりました。自分から情報を広くあつめるようになり、教育イベントの告知WEBを見るようになり、自分で研修をさがすようになりました。もちろん出張旅費はでないので(公立はそうです)、自費で参加するようになりました。学びたいという思う気持ちがあれば、人はいくつでも学べるものです。さらに自分が使って授業をしたいと思うアプリの会社に連絡をとって、モデル校ということで無料で使用出来るようにお願いしたり、自分から動くことが多くなりました。そうすると例えばロイロのユーザー会のような場所にも参加するようになり、全国の先生方(公立、私立、専門学校、教委、大学等多種多様な先生方)とも名刺交換(名刺などは公立校で務めている限りは必要なかったのですが)も行うようになり、一挙に自分の視野が広がりました。Facebookを始めることで、自分の必要となる情報も得られるよう二なり、また自分が興味を持ってこれを授業でやりたいと思った実践(SDGs金沢工業大学のカードゲームや為田先生の「授業で使えるかも」等もそうです)が、即座に連絡が取れるようになり、すぐに実践する準備を行えるようになりました。これはこの38年間で、劇的な変化です。今はホントに情報を集めやすくなっていると思います。しかし教育イベントが都会に限られており、それらの研修に参加するための旅費がでないなど、地方の公立校に勤められている先生方が最新の研修やイベントに参加することの困難さは、いっこうに変わっていない気がします。都市の私立の学校だけが生き残るような教育は、この国の将来を危うくするような気がします。私は残り数ヶ月で退職ですが、もっともっと学びたいと思っているくらいですから、地方にはもっと若くて、やる気があるけれど情報格差デジタルディバイド)で、その才能を発揮せずに時間を無駄にしている人もいるように思います。全国何万校にもなる公立校の改革こそ、ホントに大切な「教育改革」のはずです。教育環境の乖離について教育行政が何も起案していないような気がしています。
  • 現在の教育情報の実態はセキュリティ面での制限があり、自由度が低く、授業や教材に使いにくい環境下である。
    そうした中で教育情報化を推進していくと負担増の教職員が各校に必ず存在すると考えられる。
    そうした負担をいかに軽減できるかが重要であり、インフラの整備と共に専門家の加配が喫緊の課題である。
  • 結局本人のやる気、意識がないと伝わらないような。
  • ICT化は20年以上前から叫ばれているが、まったく成果が上がらなかった。GoogleMicrosoftのおかげで今回はうまくいきそうです。
  • 各校に、気軽に学べる環境があるといいですね!
  • 予算の確保が課題
  • 法律もできているので教育にICTを入れるのは必然であれば、コンソーシアムが文科省と連携して国策のICT端末制作会社を作り、安価で丈夫な端末を作って行ってもらいたい。
  • 同僚でない先生たちとの交流が、私自身の視野、可能性を広げてくれたと思います。それが、同僚の先生たちに少しずつ、楽しそうなことやってるよオーラを出す力になっていると思います。私立だから特にそう感じているのかもしれません。
  • とても不便な自治体で働いています。

 貴重な時間を割いて、今回のアンケートにご協力いただきました先生方、本当にどうもありがとうございました。

終わりに

 いただいたコメントの中には、私信的なメッセージもいくつかありました。「結果楽しみにしています」「がんばって!」「いつもお世話になっております。相変わらずいろいろやっていますので、取材に(遊びに)来てください!」…本当にありがとうございます。不精な僕ですが、今後ともどうぞよろしくお願いします。

(為田)