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関西大学初等部 授業レポート No.2(2019年11月11日)

 2019年11月11日に、関西大学初等部を訪問し、授業を見学させていただきました。関西大学初等部は、一人1台のiPadを活用している学校で、Appleのビジョンを実践している教育機関として認定されている、Apple Distinguished Schoolです。

 今回は、堀力斗 先生が担当されている、1年生のプログラミングの授業をレポートします。見学したのは、Sphero EduでSphero BOLT(以下、BOLT)を動かすプログラミングの授業でした。今回の授業が2時間目で、前時はBOLTがどう動くかのデモンストレーションをしたそうです。
 今回が、自分たちではじめてBOLTを動かしてみる授業でした。BOLTがたくさん動いても大丈夫なように、みんな床に座れる、机がない広い教室で授業を行いました。

 最初に堀先生が、Sphero Eduを使ってBOLTをどうやって動かすかなど、この後の活動のためのお手本を見せくれました。球体のBOLTは方向が難しいので、「光っているところがおしりです」と説明して、おしりを目印に方向を決めて、前に進むBOLTを見せます。BOLTが動いた瞬間の「おおー!」という子どもたちの盛り上がりに、楽しさが授業を動かしていく様子が見られました。
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 グループ活動に移る前に、堀先生がみんなに伝えたのは、「何かわからないことがあったら、グループで解決しよう」ということと、「いろいろやってみても大丈夫だよ」ということでした。この言葉かけは、プログラミングの活動を始める際の心理的な障壁をとりのぞいてくれていると思います。「いろいろやってみる」という試行錯誤の部分がなければ、プログラミングの授業の楽しさも学びも減ってしまうので、この「やってみよう!」というところを掻き立てるのは非常に重要だと思います。

 4人グループに1台のBOLTを手渡し、一人ずつ順番に自分のiPadとBOLTとを接続して、自由に動かすということをします。グループみんなで助け合いながら、BOLTを動かしていきます。BOLTが自分の思い通りコロコロと動いていったり、思い通り動かなかったり、人にぶつかったり、そうしたすべてが、「思い通りに動かせてる!」「自分たちで作れている!」という体験として残っていくと思います。
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 みんなとても楽しそうです。頭をみんなでひっつけて考えて、「こうじゃない?」「やってみようよ」「やった!できた!」のサイクルがすごい速度で何回も回転するのは、プログラミングの良いところだと思います。

 この次の時間には、先生から出される課題にチャレンジするそうです。みんなで頭をひっつけて考える様子が、またたくさん見られそうだな、と感じました。
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 No.3に続きます。
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(為田)