教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

授業準備で使えるかも:文部科学省「各教科等の指導におけるICTの効果的な活用に関する解説動画」

 文部科学省のサイトで、「各教科等の指導におけるICTの効果的な活用に関する解説動画」が公開されています。各教科での学校での実践事例が見られるのはいいのではないかな、と思いました。
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学校での実践事例に基づき、「主体的・対話的で深い学び」の視点から授業改善を行うに当たって、参考となりますので、研修や日々の授業の改善などに御活用ください。

 主要教科だけでなく、実技教科についても紹介されているのがいいなと思います。学校へ研修に行くと、最後の質疑応答のときに、「わたし、家庭科なんですけど…」とか、「なかなかICT活用研修でも実技教科は触れてもらえなくて…」というふうな声を聞くこともありますので、こうして実技教科も含めての解説動画が見られるのはいいな、と思います。
 あとは、これを実践の下敷きとして、どう自校にあわせてチューニング、カスタマイズをしていくか、ということだと思います。全国のすべての学校に対して満点な実践事例を探したり作ったりするよりも、ICTを活用することで何ができるのかを知り、それをどう自校に活用するかを考えていく、ということが大事だと思います。
www.mext.go.jp

 こうした動画を文部科学省が出してくださると、研修講師をする我々としましては、これをベースにさらに超えていかなくてはならないので大変ではありますが、絶対に教育環境としては良くなると思っています。ライバルとして、これを越えていく努力を続けていきたいと思います。

(為田)

『デジタル社会の学びのかたち Ver.2』 ひとり読書会 No.8「8章 学校はどうすれば新たなテクノロジとつきあえるのか」

 A・コリンズ、R・ハルバーソン『デジタル社会の学びのかたち Ver.2 教育とテクノロジの新たな関係』をじっくり読んで、Twitterハッシュタグ#デジタル社会の学びのかたち」を使って、ひとり読書会を実施したのをまとめておこうと思います。

 「8章 学校はどうすれば新たなテクノロジとつきあえるのか」を読みました。最初に、新たなテクノロジが、何をもたらすのかということについてまとめられていました。


  • カスタマイズ
    人々が望むときに望む知識を提供し、人々が学ぶ際、個別にサポートしたり、ガイドしたりすることに関連します。
  • インタラクション
    学習者に即時フィードバックをしたり、現実的な課題に取り組む際、学習者の積極性を促したりするコンピュータの能力が関係します。
  • 学習者コントロール
    可能な限り、学習者が自身の学習に責任をもてるようにすることです。その結果、学習を自分事として受けとめる感覚が生まれたり、自らの関心に応じて学習を導いたりできます。

 そのうえで、より良い教育システムをデザインする際に、全部作り直すのではなく、古いものと新しいものをうまくまとめるべきであること。また、古いものと新しいものをまとめる手助けとなる3つの領域が紹介されます。


  1. パフォーマンスに基づく評価
    • 学習を測る方法の最近の動向:「国家による認定システムと、スキルベースの評価システム」→「学習に対する既存のアプローチと新しいものをつなぐ道の1つが、国家認定システムを開発することです」(p.133-134)
    • 「その認定制度は、コンピュータ上で、あるいは、学校やラーニングセンターで訓練された専門職によって運営されます。人々は、好きなだけたくさんの認定資格を申し込むことができます。準備ができたと思った時には、いつでも試験を受けられるようになります。」(p.134)
    • 「教師や学区が決めたときに試験を実施する学校とは異なります。認定資格は、高校の卒業証書よりかなり限定的で明確なものです。卒業証書や学位といった機関による認定の代わりに、特定のスキルに関して、学習者の専門性を保証します。」(p.134)←このあたり、履修主義から習得主義への流れにも近い物があると思います。また、こうした認定資格をブロックチェーンと組み合わせていく、というEdTechのソリューションも何度か聴いたことがあります。知こそが誰にも奪われない財産だ、というのを実現するテクノロジー
    • 「学習者とその保護者が思い描く目標と、認定資格とが結びつく」→「テクノロジのカスタマイズ性と学習者コントロールに対して、より適した評価システム」が実現→「保護者と生徒が相談できる、オンラインシステムへのニーズが高まると考えられます。」(p.134)
    • 「職業を選択するために、どの認定資格が必要なのか、おのおのの認定を得るために、何を知る必要があるのか、不可欠な知識を得るのにどんな方法を用いることができるのか、といったことに関するコンサルティングを提供するのです。」(p.134)
    • 「認定資格は、3つの領域で発展すると考えています。アカデミックスキル、ジェネリックスキル、専門的スキルです。」(p.134)
    • エビデンスに基づく評価と認定制度を組み合わせることで、教育の議論を学習成果にフォーカスできるようになります。評価活動は、教育、ビジネス、評価に関する有識者のコミュニティが提供する、より真正な活動となるでしょう。」(p.137
    • 「生徒は、就職活動や大学進学のために認定資格ポートフォリオをつくります。現在の高校や大学の単位認定とは異なり、パフォーマンスに基づいた認定システムは、大人の学習で問題とされる知識やスキルとリンクしています。」(p.137)
    • 「パフォーマンスに基づいた認定システムを展開することは、生徒が知ること、できてほしいことを、教育者に慎重に見定めさせることにもなります。」(p.137)
  2. 新しいカリキュラムデザイン
    • 「新しいメディア・テクノロジは、カリキュラム開発の新しい道を切り拓いています。その範囲は、指導と学習の新しいかたちから、生徒と教師の新しいインタラクションを生み出す方法にまで及びます。」(p.137)
    • 「私たちが支持するカリキュラムデザインは、テクノロジを用いて、生徒の学びを自らの目標や関心に沿ったものにします。生徒の年齢であるとか、学校の一般的なカリキュラムより、生徒の目標や関心に基づいたカリキュラムに取り組む学校になるでしょう。」(p.137)
    • 「メーカースペースやYMAOなどは、画稿での教育プログラムのモデルとなります。カリキュラムは、低学年では、家族、ペット、スポーツ、恐竜といったトピックで始まります。やがて、映画制作、メディア制作、生物医学、ビジネス・マネジメントといった領域へと進みます。読み書き、計算、科学、歴史、地理などの伝統的なアカデミック・スキルは、それぞれのカリキュラムに織り込まれています。」(p.137-138)
    • 「このようなカリキュラムでは、例えば恐竜の進化についてビデオを制作するような、複雑な課題を遂行するなかで、重要な内容やスキルを生徒が学ぶことを大事にしています。」(p.138)
      1. 生徒はまず初心者として、小さなプロジェクトに取り組む。より経験豊かな生徒がメンターとなり、プロジェクトの進行をする。
      2. 経験を積んだ次には、他の生徒とより大きなプロジェクトに取り組み始める。そこでは、さらに進んだ生徒が、プロジェクトやサブプロジェクトのリーダーになる。
      3. いくつかのプロジェクトに取り組んだ後であれば、新しく入ってくる生徒たちに対するメンターとしてふるまえるようになっている。
      4. 新たな生徒にうまくメンタリングができれば、より大きなプロジェクトのリーダーや、サブプロジェクトのリーダーが務まるようになる。
  3. デジタル世界における公正性への新しいアプローチ
    • 「家庭にとってテクノロジ・ベースの学習は、公教育の補充的なものにも、代替手段にもなり得ます。その結果、新しいメディア・テクノロジによる学習の多くは、学習機会の不平等をもたらしているように見えます。」(p.141-142)←このあたり、「ICTができない人もいるから」という形で、「みんなが使える程度でやる」というふうに下に合わせようとする学校も少なくない現状と重なるなあ。不平等を、どうすればいいのか、ということは考えなければならないと思います。どういう教育を受けていくかというのを、すべて保護者の責任にするというのは、生まれついた環境によって将来を選べなくなる可能性が高いと思うので(いまでもそれなりに教育格差はあるので)、テクノロジーを教育機会を公正にするために使ってほしいと思います。
    • 「新しいメディアは、(略)新たな教育経験やアフィニティグループへのアクセスを提供できると私たちは考えています。」(p.142)

 すべてを一気に変えることができる学校もあるでしょうけれど、大きな公教育という制度をまとめて全部変えるということは、システムが大きいからこそ僕は慎重であってほしいと思っています。ある地域やある学校ではたしかに、「学校なんて要らないんじゃ…?」と思えることもあるかもしれませんが、逆に多くの地域では、学校が大きな役割を果たしてもいると思っています。うまく、新しい仕組みを実装して、稼働させていく、アップデートしていくことこそが重要だと思っています。

 「教育のシステムは変わらなくていい」とはまったく思っていませんが、慎重にやっていくべきだ、と僕は思っていますが、そうした議論のなかで考えていきたい情報が、この第8章でまとめられていると思いました。

 No.9に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)

新渡戸文化小学校 授業レポート(2020年10月7日)

 2020年10月7日に新渡戸文化学園を訪問したときに、VIVISTOP NITOBEという教室で山内佑輔 先生が担当している小学校の図工の授業を参観させていただきました。VIVISTOP NITOBEは、レーザーカッターなどの最新のクリエイティブツールや、リサイクルマテリアルのようなクリエイティビティを刺激する材料を備えた、クリエイティブラーニング環境です。
www.nitobebunka.ac.jp

 今回の授業のテーマは、「色研究 Analog/Digital」でした。新渡戸文化小学校の児童は、一人1台iPadを持っていて、それぞれに思い思いの場所で色を研究していました。
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 自分のiPadで「C0M0Y0K0 || CMYK Printer Color swatch」というサイトにアクセスしていました。このサイトでは、CMYKの数値を自分で設定して好きな色を作ることができます。また、キーワードを入れることで、そのキーワードから色を創ることもできます。
cmykcolor.info

 児童はいろいろな色をどんどん創っていました。こうして何度も何度も試行錯誤をすることができるのは、デジタルのいいところだと思います。
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 児童は自分で作った色に名前をつけて、VIVISTOP NITOBEにあるMacに、iPadからAirDropでデータを転送して提出していました。iMaciPadと、Apple系でシステムを統一してあると、こうした提出方法やデータの共有などは非常に簡単に行うことができます。
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 この授業では、CMYKで数字を入力して色を創るという、デジタルな手法だけではなく、絵の具を使って色を創ることにも挑戦していました。山内先生は児童に、「アナログにも挑戦してほしい。iPadも道具だし、絵の具も同じように道具です。両方使ってみて、自分で使っていて心地よい道具を探してほしい」と言葉をかけていました。
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 絵の具を使って創った色は、白い紙に塗って、棚にどんどん置いていく形で提出していました。アナログでは目で見えてたくさんの色が並び、デジタルではコンピュータの中にみんなで創った色が並ぶ、というふうに、たくさんの創造が行われている授業だと思いました。
 児童が色につけた名前には、「ハッピー」「情熱の赤」「ワニの住む沼」「夕焼けの青」「リラックスピンク」などがあったそうです。色を創るところにも、名前をつけるところにも、創造性が表れていると思います。
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 デジタルが子どもたちの身近な道具として浸透してくれば、もっともっとたくさんの学校でiPadと絵の具セットが一緒に並んでいるという創作シーンは見られるようになってくるのではないかと思いました。

(為田)

宮城県登米市立佐沼小学校 授業レポート(2020年10月27日)

 2020年10月27日に登米市立佐沼小学校でプログラミングの授業公開が行われました。登米市教育委員会が主催する登米市教育支援センター主管の第2回プログラミング研修会の一環で、市内小学校の先生方が参加されました。
 弊社フューチャーインスティテュートは、同研修会の第1回から講師を務めています。今回は授業参観、事後の振り返り、プログラミング教材体験ワークショップを行いました。
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 今回の授業者は、Microsoft社認定教育イノベーターとしてもご活躍の佐沼小学校の金洋太教諭です。担任している第5学年の理科「電流が生み出す力」(11時間扱いの10時間目)で「オリジナル音楽プレーヤーを開発しよう」がテーマでした。
 第8時までに、子どもたちは電磁石の性質について実験したり性質をまとめたりといった学習をしてきました。そして第9時でMicrosoft MakeCodeでプログラミングしたものをmicro:bitに書き込み、micro:bitと紙コップなどで自作したスピーカーを繋いで音楽プレーヤーを作成するという発展的な課題に取り組んできました。
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 プログラミングでは、音楽プレーヤーと称するだけに、単に音が鳴ればよいというのではなく、複数のメロディが流れるようにすることという条件が示されていました。電磁石の性質の学習としては「音が小さくて聞こえづらいので、はっきり聞こえるぐらいまで音量を上げるには、どんな工夫が必要か」という観点が示されていて、子どもたちは自分の予想を基に理由を明らかにしつつ改良する活動に取り組んでいました。これらは「音楽プレーヤーの仕様と人気を表したルーブリック」として子どもたちと共有されていたので、活動の方向性を見誤る子どもは一人もいない印象でした。中には、複数の曲が順番に流れるようにするのではなく「Aボタンを押すとこの曲、Bボタンではこの曲、micro:bitを揺さぶるとこの曲が流れる」というプログラムを作成して、きっかけと曲を関連づけている子もいました。

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 電磁石の性質の学習を積んできた上で「音量を上げる」には、「コイルの巻き数を増やす」「磁石を強くする」「電流を強くする」が考えられます。単元の構成から、本時では多くの子どもたちがコイルの巻き数と磁石の強度に着目して活動していましたが、プログラミングの要素が組み込まれることで「ソフトウェアによる制御でも音量を変化させることはできないのか」といった新たな疑問や解決するべき課題を見つけて、中学校技術科の内容にも繋がっていくのではないかと感じました。
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 導入での金先生からの説明は5分ほどで終わり、子どもたちは自力解決に取り組みました。電磁石のパワーアップに必要な導線や磁石などは自由に使えるように豊富に用意されていて、子どもたちは必要に応じて材料を取りに行っていました。
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 はじめのうちは黙々と自分の作業に没頭する子どもたち。ある程度目途がつくと、金先生を呼んで確認してもらったり、友だち同士でアドバイスし合ったりする様子が見られました。
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 金先生は子どもたちに必要以上に干渉することなく、日々の授業や学校生活からの見取りを基に、随時個別指導に当たっていました。金先生によると、この授業を構想するにあたってはScratchの開発者であるMITメディアラボのミッチェル・レズニック教授が提唱する「創造的な学びのスパイラル」を意識したとのことでした。
 金先生は個別指導の中で「このプログラムを実行したらどんな風になるか、イメージしてる?」「micro:bitにダウンロードして聴いてみることを、何度もやってみるのはいいことだね!」と、予想→実施→確認→・・・を繰り返すプロセスを声掛けしていました。
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 授業のまとめで金先生は、登米市で導入されている授業支援ソフト「オクリンク」を使って、プログラミング画面のスクリーンショット、作った音楽プレーヤーの写真、活動から確認できたことをセットにして提出するよう指示しました。金先生の簡単な指示で子どもたちはすらすらと成果を提出していきました。Windowsタブレットが子どもたちの学びの道具として当たり前になっている様子は、参観された先生方にとって刺激的だったのではないかと感じました。
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 子どもたちはソフトウェアキーボードを自分のスタイルで使いこなしていました。ローマ字入力する子、手書き文字認識で入力する子がいて、普段どのように指導しているのかを金先生にお聞きしたところ「基本的にはローマ字入力を推奨していますが、授業の振り返りなどは思いを書き表すスピード感を大事にしているので、その子それぞれがぱぱっと書き表せる方法でかまわないと思っています」とのことでした。スキルとしてのキーボード入力は基礎基本として身に付け、それと並行して、目的や場に応じた入力方法を選んで使いこなせるような子どもたちを育てる姿勢に感銘を受けました。
 プログラミングを教科指導に取り入れることが強く意識されると、ついつい教科の目標から離れがちになってしまったり、やらせっぱなしになってしまったりすることが、先生方にとっての課題ではないかと感じていましたが、今回の授業はそれを払拭するためのヒントが随所にちりばめられていた実践でした。翌日からは隣のクラスでもこの実践を進めていくとのことでした。今回参加された先生方もご自分の学校に持ち帰り、日々の授業づくりに活かしていっていただきたいと思いました。

(佐藤)

『デジタル社会の学びのかたち Ver.2』 ひとり読書会 No.7「7章 失われるもの、得られるもの」

 A・コリンズ、R・ハルバーソン『デジタル社会の学びのかたち Ver.2 教育とテクノロジの新たな関係』をじっくり読んで、Twitterハッシュタグ#デジタル社会の学びのかたち」を使って、ひとり読書会を実施したのをまとめておこうと思います。

 「7章 失われるもの、得られるもの」を読みました。テクノロジーを教育に導入することによって、何が失われ、何が得られるのかということがまとめられています。たくさん書かれているのですが、自分が興味深かったところのメモを貼っていきます。

 ポジティブな面とネガティブな面と、両方あるのは当然だと思っているのですが、どちらの面も寛容に見ていきたいと思っています。

失われるもの

 まずは失われると思われるものからです。最初からタイポが…すみません、「テクノロジ主導」ですね。「手動」はテクノロジになってない…(笑)

 テクノロジーによって、誰とでも繋がれるようになり、関心でコミュニティを作れるようになった反面、「自分の見たいものしか見ない」こともできるようになったし、さらには「自分が知りたいことに近いことしか知らされない」というふうにもなりつつはありますね。

 最後に書かれている、学校が「子どもたちが他者を信用し、共に働くことを学ぶ場所」だったことに関しては僕も賛成ですが、すべての子どもにとってこれらを学ぶために学校が最適な場所であったわけではないですし、学校での固定化されたコミュニティのなかで苦しかった子もいたと思います。いまの学校・地域コミュニティをテクノロジーで補完する、ということもできるのではないか、と思っています。特に都市部においては、テクノロジーなしでコミュニティがもうできていない気がしていて、どんどん周囲との関係も希薄になっていくので、テクノロジーを活用すればいいと思っています。

得られるもの

 一方で、得られるものにはどのようなことがあるでしょうか。

 あ、ここでも誤字が…。最後は、「機械」ではなく「機会」ですね。失礼しました…。

まとめ

 テクノロジーが導入された新しい教育システムによって得られるものと失われるものと、どっちが多いのか、という結果は出ていません。テクノロジーが社会に実装されたときに、危機を避けつつ、一人ひとりが自分のために社会のために活用できるようにするにはどうすればいいか、ということを考えられるようにする必要はあると思います。


 No.8に続きます。
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(為田)

東京都立青山高等学校 小澤哲郎 統括校長 インタビュー まとめ(2020年9月7日)

 2020年9月7日に、東京都立青山高等学校を訪問し、小澤哲郎 統括校長先生に、青山高校でのICTの活用について、お話を伺いました。
 青山高校での日常の授業でのICT活用の様子、休校中に行っていたオンライン授業の様子、これから必要だと考えているICT環境などについてお話を伺いました。
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(為田)

書籍ご紹介:『世界一のロボット掃除機「ルンバ」を作った男 コリン・アングル「共創力」』

 大谷和利『世界一のロボット掃除機「ルンバ」を作った男 コリン・アングル「共創力」』を読みました。タイトルにもあるように、ルンバを作ったアイロボット社創業者、会長兼CEOのコリン・アングルさんの半生を描いた本です。

 3歳で自宅のトイレを修理して、家族の食卓でさまざまな話題について話し合う日々を送っていたコリン・アングルさんが、テクノロジーに出会い、ロボットを作り、アイロボットを作り、どうチームを率いて経営をしているのか、ということがわかる本です。

 この本を読んでいて、「共創する力」をどう組織として持っていくか、というビジネス的な側面とともに、教育の要素を強く感じました。コリン・アングルさんがどのような教育を受けてきたのか、ということが非常によくわかるので、ロボティクスに興味がある人たちだけでなく、教育に関わる方にいいのではないかと思います。
 教育についてコリン・アングルさんが教育について語ったことが書かれている部分がありました。

教育についてコリンは、このように力説する。「私の人生において、教育は私の喜びを生み出す重要な役割を果たしてきました。同時に、教育がもたらすインパクト、および、私自身のストーリーやロボットにまつわるエピソードが持つ影響力を実感しています。その意味で、教育は私の人生と進歩の礎になったものであり、アイロボットのCEOとしての仕事以外に、どのように社会に対する恩返しができるか?そして、子どもたちの力となってインスピレーションを与えられるように時間を使えるか?といった考えが、自分を駆り立てるようになったのです。自分たちがロボットを作っているという事実が、ある種の責任感につながったのも確かであり、それは、どんな3歳児でも恐竜や鯨とともにロボットに対する興味があることと無関係ではありません」
コリンが、子どもたちに対して「君は、どんなロボットを作ってみたいのかな?」と質問すると「わからない」と答える子はひとりもなく、常にすばらしい答えが返ってくる。例えば、「自分の部屋を掃除してくれるロボット」「宿題を片づけてくれるロボット」「犬を散歩させてくれるロボット」、「一緒に遊んでくれるロボット」など。それを聞くたびに、コリンはすてきな気持ちになるのだという。(p.205)

 こうした思いをベースに、アイロボットはSTEM教育にも取り組んでいます。こういうやりとりができるプログラミング教育は、ものづくりへの思いに着火してくれそうだな、と思います。
 アイロボットは、『ルート(Root)』という名前のSTEMロボットを展開しています。弊社フューチャーインスティテュートは、ルートを使っての小学校での授業を広げていくために、カリキュラム作成や授業サポートなどの面でお手伝いをしています。いくつかの学校でパイロット授業もしてみましたが、Rootを見せると、「ルンバだ!」と子どもたちが言うことが多いです。ロボット掃除機であるルンバは、もしかすると日本の子どもたちにとって、最も身近なロボットだと言えるかも知れません。だからこそ、Rootに興味を持って、動かしてみることに没頭できるのではないかと思っています。
 もしも、興味のある先生や学校がありましたら、コメント欄やSNSなどを通じて、ご連絡をいただければと思います。

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 また、この本、『世界一のロボット掃除機「ルンバ」を作った男 コリン・アングル「共創力」』の出版記念イベントの様子がYouTubeで公開されています。前半が著者の大谷和利氏と楽天大学学長 仲山進也氏による「共創力」についてのトーク、後半は東京工業大学の学生を招いて、コリン・アングル氏と直接オンライン対話となっています。

www.youtube.com

(為田)