教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

教材に使えるかも:『生活科学』に出ている写真でメディアリテラシーを考える

 Twitterで、昭和18年(1943年)の『生活科学』という雑誌のページを見かけて、メディアリテラシーの授業の教材で使えるかもしれない、と思いました。

 「米軍はこんな良い物を…」というところまで読んで、「戦時中にそんなこと雑誌で書けたのか!?と早とちりしましたが、文章全体を読んでみて、なるほど、こういう論理か、とびっくりしました。
 同じ写真を見ても、「どう解釈するか」「どういう文章をつけるか」というのでこんなに違うものかと驚きました。
 時代によって、この写真と文章の組み合わせを、「そうだそうだ」と思う人が多いのか、「いや、それは逆なのでは?」と思う人が多いのかも違うと思います。
 メディアリテラシーの教材に使えそうだな、と思いました。

 雑誌「生活科学」で検索してみたら、三鷹市のみたかデジタル平和資料館のサイトで表紙や中のページなどが公開されていました。
www.city.mitaka.lg.jp

 こうした昔の雑誌や書籍などがデジタル化されて見られるようになっているので、教材などに使うこともできるようになってきています。子どもたちと一緒に見てみたいな、と思います。

(為田)

横浜市立鴨居中学校 分散登校 授業レポート No.7(2021年9月3日)

 2021年9月3日に、横浜市立鴨居中学校を訪問させていただきました。齋藤校長先生から、体育の時間に使える運動動画があると伺ったので、校長室で見せてもらいました。

 Googleクラスルームで、國安晃介 先生が「簡単なトレーニングに自宅で取り組んでもらいます」というメッセージと動画のリンクを送っていました。
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 動画を見てみると、体育館で國安先生がトレーニングのインストラクターのように動きを説明し、カウントをとる動画でした。これを見ながら、家庭でも身体を動かすことができます。
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 この動画は、運動を見せてくれている國安先生が一人で撮影しているのではなく、撮影を担当している先生との共同作業だと思います。こうした担当教科内でのコラボレーションでオリジナル教材を作成している学校も多くあるように思います。

 こうしてエクササイズ動画を生徒たちがするようになると、他にも「筋力をアップしたい」とか「ストレスを解消したい」とか「目が覚める運動」など、他のエクササイズ動画のリクエストが生徒たちから出てくるかもしれないと思いました。

 No.8へ続きます。
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(為田)

書籍ご紹介:『子どもが育つ学級をつくる「仕掛け」の技術』と『「うまくいかない」から考える』

 京都教育大学附属桃山小学校の若松俊介先生から、著書『子どもが育つ学級をつくる「仕掛け」の技術』と、片山紀子先生との共著『「うまくいかない」から考える』をお送りいただきました。ありがとうございます。
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『子どもが育つ学級をつくる「仕掛け」の技術』

 「3つのステップで自律と協働を!」と表紙に書かれている『子どもが育つ学級をつくる「仕掛け」の技術』では、若松先生が大事にしている「自律性と協調性を育てる目立たない仕掛け」が書かれていました(p.16-19)。

自律性を育てる3つのステップでできる仕掛け

  1. 「問いかける」
  2. チャレンジする場を用意する
  3. ふり返る場をつくる

協調性を育てる3つのステップでできる仕掛け

  1. 子どもたち同士が関わる場を増やす
  2. 目的を共有する場をつくる
  3. ふり返る場をつくる

 本を読み進めていくと、それぞれの3つのステップを詳細に知ることができるのですが、そのなかにはアナログだけでなくデジタルを使った事例もたくさん出てきます。一人1台の情報端末を子どもたちが持つようになったからこそ、先生たちができることも広がっていくのだと思います。ただデジタルを使わせるだけでなく、「自律」と「協働」をサポートする活動ができているかどうかを見ていこう、と思いました。
 自律ができないと、道具に使われることになってしまったり、ただ時間を消費するためにデジタルを使うことになってしまったり、という恐れもあるので、先生方と考えていくべき問題だな、と思いました。

『「うまくいかない」から考える』

 片山紀子先生との共著である、『「うまくいかない」から考える』のなかでは、若手教師12人のリアルな失敗談を読むことができます。
 片山先生は、「教員研修のような公式のものだけでなく、非公式で自発的な、学ぶためのコミュニティを持っている」(p.22)ことの重要性に触れていました。こうした部分も、GEGなど、Educator Groupがたくさんあるのがいい例で、ネットを活用することでコミュニティに参加することもできるようになるかと思います。

まとめ

 2冊を集中して読んでみて、「先生方の仕事は、ただ教えるだけでなく、本当に幅広いのだ」ということがよくわかります。自分の仕事の領域から、先生方を支えることができるように、引き続き頑張っていこうと思いました。

 若松先生、どうもありがとうございました。

(為田)

横浜市立鴨居中学校 分散登校 授業レポート No.6(2021年9月3日)

 2021年9月3日に、横浜市立鴨居中学校を訪問させていただき、中村悟先生の担当する2年1組の数学の授業を参観させていただきました。

 中村先生は、先生用のコンピュータでGoogle Meetにアクセスして、その画面を教室の大型モニターに投映していました。そして、黒板を使ってこれまでどおりの授業をして、その様子をビデオカメラに映して、Google Meetで見られるようにしていました。
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 Google Meetの画面を教室にいる生徒と一緒にみんなで見られるので、オンラインで参加している生徒とのやりとりが見やすくてよかったと思います。中村先生が「見えてますか?」と訊くと、挙手ボタンを押してくれる生徒が多く、画面上でその様子が見えるので、一体感が作りやすいかもしれないと思いました。
 もちろん、「ミュートを外して声を出して質問してもOKだからね」と中村先生はおっしゃっていました。登校している生徒たちとオンラインで参加している生徒たちとのコミュニケーションがどのような形にこれからなっていくのか、楽しみに思えます。
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 No.7へ続きます。
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(為田)

【メディア掲載】月刊私塾界 9月号

 月刊私塾界9月号が発刊されました。今回の特集で私塾界40年史<後編>が書かれていて、「完全学校週5日制」とか「教育特区」とか、学習塾側から見る教育政策の動きを月刊私塾界の記事ページから見ることができて勉強になりました。僕は最初の就職が学習塾の企業だったので、真っ只中にいた部分もあります。1998年入社、1999年からはいまの会社へ出向→転職だったので、まあ本当に少しだけではありますが。
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 それと、Catch Upのコーナーで、城南進学研究社のCOO 千島克哉さんとInspire Highの代表取締役 杉浦太一さんの対談がありました。Inspire Highは、10代がふだん出会えない大人のライブトークを聞けるプログラムです。こうした教材が子どもたちのところに届くのはいいことだと思っています。
 戸田市の喜沢中学校と喜沢小学校がモデル校になっているので、一度子どもたちがどんなふうに取り組んでいるのか、見させていただきたいな、と思っていました。

 いつもどおり、僕の連載記事も載っております。6月末から7月にかけての記録でした。授業やイベントなど、いろいろやりつつ学校訪問もさせていただいていました。
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(為田)

横浜市立鴨居中学校 分散登校 授業レポート No.5(2021年9月3日)

 2021年9月3日に、横浜市立鴨居中学校を訪問させていただき、飯田隆司 先生の担当する2年3組の理科の授業を参観させていただきました。

 飯田先生の授業では、スライドが作られていて、教室の前にある大型モニタにスライドを投影して説明をしていました。
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 スライドに沿って飯田先生が説明をしていきます。内容についても細かくスライドで書いています。
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 飯田先生の授業で特徴的だったのは、教室で授業に参加している生徒たちも、一人1台のChromebookを開き、Google Meetに参加していることだと思います。オンラインで参加している生徒たちと同じ画面を学校の机で見ています。このような形だと、オンライン参加の生徒たちのリアクションを見ることもできますし、チャットでのQ&Aのやりとりなどもできそうだと思いました。こうしたやり方もおもしろいと思います。
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 教室の後ろから見てみると、飯田先生のスライドを見るときに、教室にある大型モニターを見る生徒と、自分の目の前にあるChromebookを見る生徒が半々くらいだったように思います。
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 No.6へ続きます。
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(為田)

授業で使えるかも:「見たこと作文」と「はてな帳」

 探究について勉強したくて、「授業づくりネットワーク No.39 探究する教室」を読みました。探究のさまざまな実践事例を知ることができて大変勉強になりました。

 読んでいて、「見たこと作文」と「はてな帳」というキーワードに強く惹きつけられました。
 「子どもたちの追究(探究)の姿」(p.23)が見られると書かれている「見たこと作文」については、上條晴夫 先生の『見たこと作文でふしぎ発見』のまえがきから、以下のような文章が引用されていました。

「従来の『思い出して書く』作文に対して、『行動(見る、聞く、調べる)して書く』点が特徴である。子どもたちは、たんぽぽ、ポスト、川の汚れ、ひがんばな等を追究する。そして、謎を探り出す。不思議を発見する。論争を展開する。教室の中は、子どもたちの声(作文)で騒然となる。」(p.111)

 また、「追究の鬼(=猛烈に追究を行う児童)」を育てる有田和正 先生の授業が紹介されているなかで、「はてな帳」という、授業中に出た「はてな」を追求したことをまとめて自分の認識を深めていくノートが紹介されていました(p.105)。
 この「はてな帳」は、GIGAスクール構想で一人1台の端末を持った子どもたちにとって、とてもデジタルノートの形なのではないかと思いました。不思議に思ったことをいつでも記録できるようになり、文章だけでなく写真や動画も撮影できるようになり、写真や動画とテキストを合わせて保存しいつでも参照できるようになることで、自分自身のさまざまな知的活動のネタ帳をいつでも持てるようになるのではないかと思いました。
 使うツールは、普通のメモ帳でもいいし、Google Workspace for Educationを使っているなら、KeepやGoogleドキュメントでもいいと思います。Googleクラスルームでみんなで「はてな帳」を作るとかもできるかもしれません。

 有田和正 先生の『「追究の鬼」を育てる』などを読んでみて、きちんと勉強してから「はてな帳」をベースに追究していく子どもたちの様子を自分も見てみたいと思いました。


(為田)