この連載では、これからICTを実践する学校/先生方を想定読者として、「ICTを使って、こんな実践ができますよ」というのを、実践事例の引き出しとしてご紹介していきたいと思っています。端末やシステムの機能ありきでなく、教育手法としてどうなのか?というところに焦点をしぼって紹介します。
「授業の中での導入部分で5分だけ使う」「プレゼンテーションの動画を撮影して、みんなでレビューする」などのように、特定の目的にピンポイントでICTを利用している様子を紹介していきます。
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今回は、桜丘中学・高等学校 倉田豊子先生の、高1英語の授業からの「グッドプラクティス」の紹介です。
倉田先生の授業では、テンプレートを利用して英作文をしています。ファイルを開くと、「この写真について気づいたことを日本語で書きなさい」と書かれています。また、その写真にタイトルをつけなさい、という指示も出ます。
生徒たちは、キーボードを使って文章を入力し、写真のタイトルを考えます。これを、ロイロノートスクールで共有をします。生徒たちのつけたタイトルの中には、笑いを誘うようなものもありますが、それについては、前もって先生は全員の提出した解答を見ることができるので、「この生徒のこの意見を使おう」と授業展開を考えるのに使っているそうです。こうすることで、英語力に自信がない生徒や、英語にあまり興味のない生徒にも、「先生にジョークとして拾ってもらえる」という書くきっかけができるかもしれないと感じました。
こうした授業展開は、これまでも先生方は行ってきたことだとは思いますが、全員がどんなことを書いているのかを確認するのは、クラス人数的に制約がどうしても出てきてしまっていたと思います。クラス全員分を一覧表示して見る(そうした表示の仕方を、サムネイル表示と言います)ことで、より的確に生徒たちの学習活動を見られると思います。
そうした関係ができてくることで、また生徒たちのモチベーションが上がってくると思います。