教育のビッグデータ
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紙からデジタルへとIT化が進む教育現場で、子どもたちの膨大な学習記録を情報端末を通じて集め、残せるようになってきたので、たしかにビッグデータ化は進んでいると思います。「学ぶ側」のビッグデータ化が進んでいる、ということですね。
解析を担当される岡山大大学院教育学研究科の寺澤孝文教授のコメントが取り上げられています。
「データはただ集めただけでは、何もわからない。集め方を工夫することで正確な解析ができる」と教授は話す。今は紙のドリルでの試行段階だが、タブレット端末を使えばより大量のデータを集めて解析することも可能だ。
まさしく、そのとおりだと思います。ただ「問1の(3)を間違えている人が多い」というふうにデータを集めるのか、もっと細かく集めるのか。このあたりをどう設計するかにかかってきます。
よく見かけるデジタル化された教材は、単純にどの問題を多く間違えているか、というのが小単元単位くらいでしかわからなくて、これってちゃんと使えるデータになるのだろうか?と思ってしまいます。
問題ごとにどこの誤答率が高いか、などは実は今でも学力調査後に先生方の間で共有をされていると思います。それと同じ程度であれば、巨額の導入費を投入してわざわざタブレットを一人1台持たせるのと、費用対効果はとれるのかな?とちょっと疑問に感じます。
「教える側」のビッグデータ化もほしい
それよりは僕は「教える側」のノウハウをもっともっとビッグデータ化できたらいいのに、と思います。たくさんある問題のなかで、「こういうタイプの子には、この問題と同レベルのものを、何回くらい正解できれば、次に行っても大丈夫な理解の土台はできるかな」という、先生方が経験で持っているノウハウが、本当なのかエビデンスになるようにビッグデータ化できないかな、と思うのです。
これから、経験豊かな先生方が退職されていくわけで、そのノウハウを残していくためにも、ビッグデータにして次の世代にどんどん継いでいくのも、日本全国に展開していくのも、とても大事な事業だと思うのです。
教育のビッグデータ化が進んでいるのは日本だけではないので、海外も含めて、どんなビッグデータの取り方、データ解析の仕方、エビデンスの分析の仕方、というのが行なわれているのか、知りたいな、と思います。もっともっと、世界に目を向けていろいろと考えなければ。
(研究員・為田)