教育ICTリサーチ ブログ

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【イベントレポート】ラーニングテクノロジー:「教育現場のニーズをEdTechは解決できるのか?~英語教育編~」 「世界に羽ばたく冒険者(学生)を応援する統合型教育プラットフォーム」

 7月15日(水)~7月17日(金)に東京国際フォーラムで開催されたラーニングテクノロジー2015で、ICT CONNECT 21普及推進WGサブWG『教育現場発!ニーズをシーズへ』(リーダー:株式会社電通国際情報サービス 関島章江さん)企画によるセミナーが行われました。
こちらのセミナーの企画に参加させてもらい、また当日のセミナー進行のサポートもさせていただきました。テーマは、「教育現場のニーズをEdTechは解決できるのか?~英語教育編~」でした。

 15日(水)に行なわれた、タクトピア株式会社の代表・長井悠さん、プログラム開発・嶋津幸樹さんのピッチをレポートいたします。メモ程度で恐縮ですが、興味ある方のお役に立てればと思います。
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◆ ◆ ◆

  • 「世界に羽ばたく冒険者を応援する」ということで6月から活動を開始。
  • 日本の若者が世界で活躍することを諦める割合は、85%
    • これはグローバルに見ても高い数字。大変もったいない。
  • 3つの壁がある。
    • ロールモデルがいない。
      • 身近にロールモデルがいないから、先生も親も「それは無理でしょ」と言ってしまう。海外進学という選択肢はありえないと思っている。
    • 自信
      • 自信をつける場所がない。
      • 海外進学、留学は高いハードル。そこに向かうためのスモールステップがない。
    • 実践力
      • グローバルの環境にいったときにやっていけるだけの力を、日本の英語教育が提供できていない。
  • タクトピアは、この3つの壁をトータルに打破していくサービス。
    • ロールモデルの不在に対しては、メンターマッチングサービス
    • 自信をつけるスモールステップとしては短期の海外研修
    • 実践力をつけるところで、ネイティブ脳™メソッドの提供

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  • ネイティブ脳™
    • 嶋津さんは、ロンドン大学教育研究所でネイティブ脳™アプローチを開発・研究。
    • ただの英語教育ではなく、世界で活躍するために必要な英語力とプラスアルファの力をでオンラインでアクティブ・ラーニング的に学習していくもの。
    • ディスカバリーチャンネルが協力・動画提供。

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  • 従来、英語教育では4技能(スピーキング、リスニング、リーディング、ライティング)に焦点を当てているが、これでは足りない。4技能の英語力のみでは海外の大学やアカデミアの世界で通用しない。
    • 開発している嶋津さんは、独学で英語を勉強しIELTSリスニング・スピーキングでほぼ満点を取り、オックスフォード大学とロンドン大学に合格したが、4技能だけでは現地で通用せず苦労した経験がある。
  • 「探究する」、「つなげる」、「創造する」を追加して、7技能化することを目指す。これをオンラインで学べる環境を提供するのがネイティブ脳™。

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  • 教育現場の現状としては、時間も方法もコンテンツもない。
    • ネイティブ脳が、3つのチェンジを支援する。
      • 時間がないから「時間の使い方を変える」
      • コンテンツは、知的興味を喚起する本物のコンテンツ。これを英語「で」学ぶ。
      • 方法として、応用言語学理論に基づいたオーセンティックな環境を提供する。

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  • 学習は、「事前準備」「オンラインレッスン」「復習」の3つのユニットでできている。
    • 事前準備が非常に重要。オンラインレッスンはいろいろな企業が提供しているが、事前準備の質が学びの質を決める。
    • ディスカバリーチャンネルのコンテンツを活用している。
    • オーセンティックな教材を負担なく学習できる理論を採用している。
    • 英語教育にもアクティブ・ラーニングで相互補完的な7技能を育成する。
    • 4技能試験への対応も万全。TOEFLベースのスコア上昇も実証済み。
    • 世界で学ぶ、世界で活躍する、というゴールの達成まで伴走できるサービス構成。

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  • 最終的なビジョンはアジア100万人のイノベーターを輩出するコミュニティを作ること。

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http://taktopia.com/learning/taktopia.com

◆ ◆ ◆

 「日本人が世界で活躍することを諦める割合は85%」という衝撃的な数字からスタートしたピッチでした。そして、4技能では足りない、さらに3技能を追加し、それをしっかりしたシステムに基づいてオンラインで学習できるようにする。
 英語はずっと勉強をしているわりには話せる人が少なすぎると思うし、仕事で使うようになると一気に話せるようになる人が多いのを考えても、「学び方」「教え方」にはまだまだ改善の余地があるのだろうな、と感じています。さまざまな学び方、教え方が出てくることは学習者にとっていいことだと思っていますので、今後の活躍を期待しています。

(研究員・為田)