教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

東京書籍、指導者用・学習者用双方のデジタル教科書プラットフォームに 「Lentrance」を採用

 株式会社ACCESSのリリースが出ました。教科書会社の中で大きなシェアを持つ東京書籍の指導者用・学習者用双方のデジタル教科書プラットフォームに 「Lentrance」が採用、というニュースです。
jp.access-company.com

 指導者用にしても学習者用にしても、利用することで授業がわかりやすくなるのであれば、どんどん使えばいいと思います。僕はまだ学習者用のデジタル教科書をフルで使っている学校を見たことがないので評価できないですが、指導者用のデジタル教科書については、ピンポイントで「この解説を動画で見せたい!」とかちょっとした提示で使うのであれば、大いに効果があると思います。
 ただ、条件があって、ピンポイントで使いたいということは、そのためにわざわざプロジェクタを用意したりしなくていい、というのが前提になるので、先生がいつでも出せるようにPC/タブレットを持ち歩いていること、プロジェクタが常設されていること、投影先もホワイトボードなどになっていること、というふうに環境を設定しておかないといけませんね。それがまだけっこう大変…というのが現状だと思うのですが、それはまあ、鶏が先か、卵が先か、という話なので、魅力あるコンテンツがあって、授業が改善されるのであれば、環境も整っていくかな、というふうに思っています。
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 問題は金額かなあ、と。金額が高過ぎると、どうしても「お金をかけているのだから使わなければ…」というふうになりがちだと思うのです。監査もあるし、公立学校であれば議会で「導入したことによる効果を、エビデンスで示してください」というような質疑が来るかもしれないし。そうすると、「ピンポイントで使いたいところだけ使う」というのが難しくなるのではないかな、と。
 消耗品的に支出ができるのであれば、試せると思うのです。iPadのアプリのように。(いや、アプリの数百円の金額であっても、管理職の方、担当の方が苦労しているのは存じています)アプリくらいの金額にならないですかね、と本当に思っています。ただそのためには、ユーザー数が増えなければならないわけで、このあたりがむずかしいところですね。

 指導者用デジタル教科書を、単元ごととか小単元ごととかで売ってもらえれば、「この単元、教えにくいんだよな…」とか「デジタル教科書だとこの図が動いてわかりやすいのに…」と言ったようなニーズに応えられると思うのです。

 ACCESS社の「Lentrace」と東京書籍のこの試みがうまく行けばいいな、と思います。というか、どんな感じなのか実物をぜひさわってみたいな、と思います。お願いしてみよう。

(為田)