11月28日にEducation Day 実証に学ぶ―新たなICT活用の実践と展望(主催:Windows クラスルーム協議会)に参加しました。
午後、ずっと実践事例セッションの方に参加をし、MS Showcase Schoolsの実践事例発表を聴きましたので、レポート代わりのメモを公開いたします。
3つめの実践事例発表は、東みよし町立足代小学校の土井国春先生による、「Minecraft を利用した協働学習と Yammer を活用した学習活動振り返り」です。
Yammer を活用した学習活動振り返り
足代小学校では、SNSであるYammerを学習活動の中で活用しているそうです。
土井先生は、算数、社会、音楽でそれぞれ、どのように活用しているのかを紹介してくださいました。学校内の閉じた環境で運用していて、メッセージをスレッドごとに整理をしています。
- 算数
- 学習の環境をYammerに。
- いつものノートだと、個に閉じていたのが、開かれて、追記したり書きなおしたりできるように。
- 社会
- 収束しない、広がっていく
- 情報量が増える。それを先生はさばかなければいけなくなる=出てきたものを、まとめる必要がある。
- 音楽
- 感想文の前段階として書き込んでもらう
- 先生が授業をしっかり運営する力が必要
算数でも社会でも、個に閉じていた学習活動が、クラスで見られるようになることで、追記したり書きなおしたりということができるようになるのは、これまでのように紙のノートだとなかなか実現できないことだと思います。
ノートが開かれると、どんどん児童の考え、書くことが広がっていきます。それを、どのようにまとめて、児童にフィードバックして、次の思考や表現へ結びつけるか、というところが先生方のスキルが求められるところになると思います。
MinecraftEduを利用した協働学習
次に、4年生の図工の時間で導入した、Minecraft について紹介してもらいました。
従来、粘土や紙などで作っていた「理想の町をつくろう」という活動を、Minecraft を使ってみたという事例です。
土井先生がおっしゃっていた、「一人一台持っているけど、みんな集まってくる」という言葉が、とても良いなと思いました。おもしろいから没頭してしまう、という力を持つコンテンツだと思います。
8月にMinecraftを体験したときに書いたエントリーを、参考にリンクしておきます。
blog.ict-in-education.jp
blog.ict-in-education.jp
また、MinecraftEduのサイトで見られる、アメリカのQuest2Learnというゲームデザイナーが作った学校でのMinecraftEduを使っている授業の様子がわかるYouTubeもどうぞ。「Minecraftは、オープンエンドなゲーム。何かを作りたい人は作ればいいし、モンスターを倒したい人は倒せばいいし、友達に話したい人ははなしたらいい。…たくさんの子どもたちに刺さるよ」という説明がされてます。グループに分かれて見本をコピーするアクティビティとかもおもしろそうですね。
www.youtube.com
まとめ
最後に土井先生は、Yammerは「考えの可視化」を実現していること、「Minecraftは表現の多様性」を実現していると紹介しました。そして、これらは今の授業設計の中に組み込むことが可能で、組み込むことで多様な授業展開が生まれる、といいます。
土井先生は、その前提として、「One to One環境」「常設」「Demand Pull」の3つを挙げました。この中の、Demand Pullは、非常に大切な要素だと感じました。Demand Pullは、“先生が「こういうことしたい」「授業を良くしたい」という思いがあること”であり、これが重要だと思います。
だからこそ、こうした実践報告を見た先生が、「あ、これ、やってみたいな」と思えることが重要です。「こんな授業をやってみたい」という実践報告が、なるべくたくさんの学年で、なるべくたくさんの教科・単元で、どんどん広がっていくといいですね。
参考資料など
東みよし町には、教師用の手引きとして、「東みよしスタンダード」が定められているそうです。従来の教育の中に、新しいICTを無理なく」導入してくための指針としているそうです。
その他にも、サイトでさまざまな情報発信もされています。
http://h-miyoshi.ed.jp/ict/h-miyoshi.ed.jp
また、書籍も出ていますので、関心のある方は、ぜひこれらも参照してみるといいと思います。(僕も、書名は見たことがありましたが、未読なので読みたいと思います。)
(為田)