為田がフェローとして参加している、Ludix Labの代表・藤本さんのブログで、「東北大グループの「長時間のゲームプレイの子どもへの影響」論文へのコメント」というエントリーがアップされました。
藤本さんとは年末の愛和小学校 × Ludix Lab「i和design冬期講習会」で「学校を“楽しくて学べる場”にする方法を考える」についてランチョンセッションをしてもいただきましたが、「楽しい×学び」「シリアスゲーム」「ゲーミフィケーション」などの分野でいつもいろいろなことを教えていただいている、信頼している研究者です。
今回のエントリーでは、原典にもあたりつつ、ニュートラルなコメントをされています。
- Molecular Psychiatry - Impact of videogame play on the brain/'s microstructural properties: cross-sectional and longitudinal analyses
- 東北大学リリース:長時間のビデオゲームが小児の広汎な脳領域の発達や言語性知能に及ぼす悪影響を発見
ゲーム(だけでなく、テレビや漫画などのエンターテイメントも含めてですが)を長時間するとまあ悪影響がありそうだな、というのは感覚的にはわかるけれども、結局のところ問題なのは、「ゲームを与えたまま、1人でずーっとさせておいて、放置すること」なのではないかな、と思います。言語性知能という意味では、他者とのコミュニケーションが減るので、そうした相関関係はありそう…と何となく思います。
個人的経験として、僕は小学校時代に「信長の野望」や「三国志」などのKOEIのゲームで歴史にハマり、そこから横山光輝の歴史漫画にハマり、山岡荘八の原作本に進む、というプロセスを経て、本を読むようになりました。その過程で、友達と歴史についていろいろと話すことができたし、親ともいろいろな話をするなかで歴史の楽しさを教えてもらえました。こうした「学びの楽しさへの目覚め」もあることを考えると、「長時間のビデオゲーム、ダメ!絶対!」というふうになってしまわないでほしいと思います。
先生がしっかり説明をするというので歴史を楽しめる子もいれば、ゲームなどエンターテイメントの方から歴史を楽しめるようになる子もいます。そのどちらにも、学びのきっかけを残しておく、そういう多様な学びの入口があるようにしておいてほしいと思います。
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以下、藤本さんの著書、藤本さんが関わられている本、藤本さんに紹介していただいた本をリンクしておきます。

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(為田)