2時間目は、高校1年の現代社会の授業を見学しました。話題となっていたのは、18歳選挙権でした。教室へ行くと、グループで活動できるように机が島になっていて、そこに総務省が配布している冊子「私たちが拓く日本の未来」が置いてありました。
総務省|高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来」
最初に先生から、「選挙に行きますか?」と質問をされます。選挙に行くか行かないかというのは、信条や価値観を反映する質問なので、挙手で訊きにくい問題かな、と思っていたら、ロイロノートスクールを使って、生徒名が表示されないようにして質問をされていました。こうした先生から生徒への気遣いはとても大切だと思います。
例えば、倫理の授業での善悪の判断を求める授業や、性教育などセンシティブな話題を扱う授業であれば、こうした質問の仕方が必要ではないかと思います。こうした点は、いちいち紙を配布して投票して開票して…というプロセスをICTで解決してくれるのでいいと思います。
その後、「政治山 マニフェスト」で検索をし、2014年の衆議院議員選挙のマニフェスト・公約比較表を見て、政党間での比較をしてみます。
こうしてリアルな選挙について、各自がタブレットで見て、選挙の争点にはさまざまなものがあることを伝えます。そして、それぞれの争点について正解がなく、正解がないなかで、取捨選択をするのが選挙である、と説明していきます。
そこから、“正解のない取捨選択”を体験するグループワークをします。バカンス旅行中にセスナが故障(ジープだったかな?)、砂漠に投げ出される。生還するためにどの荷物を持ち出すか、優先順位をつけなさいというミッションが与えられます。
ストーリーとしては非常におもしろいものでしたが、一つの目的(=生還)を目指すこのミッションと、そもそも目的が多数あって、そのなかで優先順位をつける選挙での投票行動とを結びつけるには1時間ではちょっとまとまらなかったかな、という感じでした。
時間が足りなかったために、最後にもう一度選挙の方に話を戻すことができなかったですが、何回かに分けて、“正解のない取捨選択”をグループでするのを繰り返すことで、選挙がどのようなものかを理解することができるのではないかなと思いました。
(為田)