フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。この連載では、ICTを使ってこんな授業ができるのではないかというアイデアを紹介していきます。
今回は、デジカメとPowerPointを使って、児童生徒の大切な物をキャラクター化して、動かし、声をつける授業を紹介します。
コマ撮りアニメの制作は、高学年で実施しているところが多いと思いますが、実施の仕方によっては、低学年くらいでも実施することは可能です。写真・アニメ・音を使った表現を、一通り体験できる内容です。
▼授業前準備
- 児童生徒に、キャラクターにしたい物を持ってくるように伝える
- 撮影の背景に使う白い紙を用意する
- PowerPointで新規作成をし、レイアウトを「白紙」にして保存する(テンプレートとして使用)
- 完成サンプルを作成する
▼授業の流れ
- 白い紙の上に、児童生徒が持ってきた物を置き、順番に撮影する。
- 写真データを、児童生徒1人1人のパソコンに取り込む。この間、児童生徒には、ワークシートを配布して、どういうキャラクターにするのかを考えてまとめてもらう。
- 名前
- 性格
- 口ぐせ
- 好きなもの
- 嫌いなもの
- 自分との関係
- セリフ(最後にアテレコする用として) など
- PowerPointで用意したテンプレートデータを開き、写真を挿入する。
- PowerPointの「元に戻す」ボタンの使い方を紹介して、間違えた操作をしても心配せず、すぐに「元に戻す」機能を使うように伝える。
- 作成したデータを保存するために、PowerPointの「保存」の仕方を説明する。
- 写真の白背景の部分を透明化にする。
- 写真を選択して、リボンの「書式」タブの「調整」グループにある「色」で「透明色を指定」を選び、透明化にしたい箇所をクリックする。
- または、同タブ同グループの「背景の削除」で背景が透明になるように設定する。
- リボンの「挿入」タブの「図」グループにある「図形」で目・鼻・口・手・足などを付け加える。
- 写真と付け加えた図形をグループ化して、まとめてキャラとして扱えるようにする。
- リボンの「ホーム」タブの「編集」グループにある「選択」で「すべて選択」を選ぶ。
- リボンの「書式」タブの「配置」グループにある「グループ化」で「グループ化」を選ぶ。
- 自動で再生されるように、画面切り替えを設定する。
- リボンの「画面切り替え」タブの「タイミング」グループにある[画面切り替えのタイミング]の「クリック時」のチェックを外し、その下の「自動的に切り替え」で次のスライドに切り替わるまでの時間を設定する。
- 0.5~1秒(00:00:30~00:01:00)くらいがちょうどいいかと思います。
- スライドを複製して、2枚目のスライドを選択し、作成してグループ化したキャラを少し動かす。
- グループ化をしたオブジェクトを移動させるときに、よく起こるのが、グループ化した要素がバラバラになってしまうことです。オブジェクトがバラバラにならないように、オブジェクトを何回もクリックせず、黒い十字の矢印のポインタに変わったら、ドラッグして移動しましょう。
- キャラであるオブジェクトを大きく動かすと、すばやく・大ざっぱな動きになります。逆に小さく動かすと、ゆっくり・小刻みな動きになります。パラパラ漫画と同じ要領であることを伝えましょう。
- 場合によっては、上記9で設定した切り替わりの時間も調整してみてもいいかもしれません。
- 上記10を数回繰り返してスライドを増やす。スライドショーを実行して、キャラがどんなふうに動くかを確認する。
- アニメが完成したら、声を録音する。
- リボンの「挿入」タブの「メディア」グループにある「オーディオ」で「オーディオの録音」を選ぶ。
- 録音する。
- スライド内に挿入されたサウンドマークをクリックして選び、リボンの「再生」タブの「オーディオスタイル」グループにある「バックグラウンドで再生」を選ぶ
- スライドショーを実行しながら、音量を調整する。
- 音声が長すぎた場合は、録音し直すか、アニメを付け足す。
児童生徒1人1台タブレットがある場合は、児童生徒のタブレットで写真撮影をし、PowerPointやKeynoteなどの写真加工と書き込み、アニメーション設定ができるアプリを使用すれば、同じように実施できます。録音が難しい場合は、付属のサウンド素材を効果音として付けるだけでもいいと思います。
(前田)