教育ICTリサーチ ブログ

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京都教育大学附属桃山小学校 授業訪問レポート No.5(2016年2月22日)

 6時間目に音楽の研究授業を見学させていただきました。髙橋詩穂先生による音楽の授業で、「祇園囃子を演奏しよう」という非常に京都らしい授業でした。笛、鉦、太鼓をグループで担当し、演奏していきます。子どもたちが十分に2つのリズムパターンを経験したあと、この2つのリズムパターンの特質について比較しながら考え、そのリズムパターンを生かして自分たちのお囃子をつくるという学習でした。
 ただ単に祇園囃子を演奏するのではなく、そのリズムパターンに自分たちなりの意味をもたせ(まさしく意味生成)、活用して創作していくというプロセスをふんでいます。
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 「御影」を演奏するのですが、笛がベースに決まった旋律を演奏します。その上に、鉦と太鼓が決まったリズムパターンを合わせていく、というものでした。リズムパターンは電子黒板で表示をされていました。
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 リズムパターン1とリズムパターン2をそれぞれ練習し、その後で、「リズムパターン1→リズムパターン2→リズムパターン1」と演奏します。さらにその後で、「リズムパターン2→リズムパターン1→リズムパターン2」と演奏しました。鉦と太鼓のリズムパターンは音が少なかったり多かったり、いろいろなのに、笛とどちらも合うのが不思議だなと思って聴いていました。
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 この「合った!」と思える不思議さについて、説明を聴いてみたいと思いました。このあたりは、電子黒板を使ってプロの祇園囃子を見せたり、iPadなどを使って自分たちの演奏しているところを録画して見せたりできるとおもしろそうだな、と思いました。

 3月4日(金)に「平成 27 年度 文部科学省研究指定 我が国の伝統・文化教育の充実に係る調査研究」の発表が京都教育大学附属桃山小学校で行われています。研究主題は「子どもの創造性を育む伝統・文化教育 -音楽科における伝統・文化教育-」。祇園囃子を自分たちで演奏してみて、児童たちがどんなことを思ったのか非常に興味があります。
 指導をされた高橋先生は、以下のようにコメントを寄せてくださいました。

伝統音楽というものは、子どもたちにとってどんな価値をもっているのでしょうか。「祇園祭できく音楽」というただそれだけのものであったはずが、学習をとおして「夜でも提灯のあがりが照らされてみんなが楽しく盛り上がっていくお囃子」になり、そこに音色や強弱、速度といった工夫が加えられ音楽表現が高められていく。そうすることで、子どもたちにとっての価値あるお囃子になっていく。
 授業をとおして、子どもたちが自分たちなりにそれらに自分たちの意味を見出し、価値づけることが文化の再構成につながる伝統・文化教育だと考えています。

 海外へもどんどん発信できる内容だと思うので、他国の伝統音楽とのリズムの違いなどとも合わせて紹介して行ったらおもしろそうだと思いました。

(為田)