フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。
この連載では、学校の先生が普段使えるクリエイティブデザイン観点でのアイデアやポイントをご紹介させていただきます。
今回紹介するのは、言語表現と非言語表現のメリットとデメリットを理解して、それらを効果的に利用する方法を紹介します。それぞれの特徴を理解して、情報をまとめることは重要なことです。
言語表現のメリット・デメリット
この「言語表現」は、言葉や文章など文字を使った表現を指します。
詳細な情報を間違いなく伝えるためには、適していますが、文章ばかりだと、そもそも読むモチベーションを削いでしまう可能性があるので、読みやすい文章量、行間、フォント、余白などを調整したり、非言語表現のビジュアルと組み合わせる必要があります。
▼長文を読ませるために、注意するポイント
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非言語表現のメリット・デメリット
この「非言語表現」は、イラストや写真などビジュアルを使った表現を指します。
言語に比べて、伝達のスピードや汎用性が高いですが、人によって捉え方・受け取り方が変わってしまう可能性が高いので、定義が変わってしまわないか誤解を生んでしまわないかを注意する必要があります。また、媒体などの制約の影響を受けやすいので、制約を考慮した表現をする必要があります。
ビジュアルを載せるのであれば、キャッチになるようにする!
非言語表現には、上記のようなメリットがあるにも関わらず、写真自体が小さくてよくわからなかったり、白黒印刷すると何をしている写真なのかがわからなかったり、結局文章を読まないとわからないような、キャッチにならない写真を掲載しても意味がありません。安易に文章だけだと退屈になるから・読まないからという理由だけで掲載するのではなく、中身の情報のリードとなるようなビジュアルを選ぶようにしましょう。
▼写真がキャッチになっていない例
写真自体も小さく、写真に写っているものも小さい上に、黒でつぶれていて、何の写真かパッと見でわかりません。
▼上と同じ写真を、キャッチになるようにした例
- 写真に映っているものが小さかったので、トリミングで余計な余白部分をカット(Wordなどにて、画像を挿入し、画像を選択したまま、リボンの「書式」タブの「サイズ」グループにある「トリミング」で調整)
- 写真自体も大きくして、最初に目が行くように本文の上に配置(見る人の目線の流れとしては、横組みの場合、上→下・左→右にいくので)
- 黒くつぶれないように、明るさ・コントラストを調整(画像を選択したまま、リボンの「書式」タブの「調整」グループにある「修正」の「明るさ/コントラスト」で調整 )
- ピントが合った感じになるように、シャープネスを設定(画像を選択したまま、リボンの「書式」タブの「調整」グループにある「修正」の「シャープネス」で調整 )
▼画像調整で、少しでも明瞭な画像にするコツ
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※白黒印刷をする場合は、画像もグレースケールに変換して、調整するようにしましょう。
これらの内容は、情報科のプレゼンの授業や、美術のデザインの授業においても、活用できる内容ではないかなと思います。
人にわかりやすく伝えるために、言語表現と非言語表現をどう組み合わせるのがいいかを、既存のポスターやチラシなどの広告や、プレゼン用のスライドを題材にして、気づいたことをワークシートにまとめたり、生徒が作る作品やプレゼンテーションを通してディスカッションすることも可能かと思います。
(前田)