夏休みで街を歩いていると、急に立ち止まる人が多かったり、知り合いでも何でもなさそうな人たちが集まっているところがあったり、という場面に出くわします。そういうのを見ると、「ああ、ポケモンGOをやっているのね…」と思います。
7月下旬に日本でリリースされて、ランチタイムにさっそくインストールして、しばらく遊んでみました。ゲームが始まってもまったくチュートリアルがなく、何をどしたらいいのかさっぱりわからなかったのですが、やっていくうちになんとかなっていく不思議…。
…と、しばらくは楽しんでいたのですが、ポケモンを直接楽しんでいた世代ではないからなのか、どうも乗りきれず…。でも、拡張現実(AR)として、どんなふうにポケモンが見えるのか、どんなふうに子どもたちが(あるいは親子が)楽しむのか、というのは非常に興味があるので、今後もウォッチしていきたいと思います。
ところで、関西学院大学の鈴木謙介先生が、ポケモンGOについての考察を書かれていたので、リンクを貼っておきます。
詳細はリンク先の記事を読んでもらいたいのですが、ちょっとだけ引用。
2013年に出版した本で僕は、モバイル情報通信機器が現実空間に持ち込まれるとき、人々はその場の意味の空間だけでなく、通信によって入り込んでくる別の場所のコミュニケーションを引き受けなければいけなくなり、現実空間の特権性が失われるということを論じている。すなわち、僕たちの生きる空間には、スマホを通じて入ってくる情報が通る無数の「穴」が開いているのであり、誰もがそうした「多孔化」した現実を生きなければならない事態に直面しているのである。
このスマホを通じて入ってくる情報が通る無数の「穴」が開いている=現実空間の「多孔化」というのは、学校にICTを導入するときに非常に重要な概念になるのではないかと思います。特に初等中等教育機関でタブレットをもたせたりする場合には。先生方はこの「多孔化」という概念を知ってクラス運営をしていかないといけないのではないかなと思います。
ちなみに、たまにゲストスピーカーで講義させてもらうと、すでに大学の講義ってバリバリ多孔化していると思います。
「多孔化」についてさらに深く知りたい方は、鈴木先生の著書を。
また、ポケモンGOと電脳コイルの関連について書かれている下のエントリーも合わせて読むとなおおもしろいかと思います。
blog.szk.cc
結局、ポケモンGOでイーブイ捕まえたりするよりも、こうした「それがどういう意味を持つのか」という文章を読むことの方がずっと好きな自分に気づいた、2016年夏でした。
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そんな中、前述の鈴木謙介先生がパーソナリティをつとめるTBSラジオ「文化系トークラジオLife」の8月28日放送分のテーマが「ポケモンGOのその先へ〜これからの“遊び”を考える」です。こちらも楽しみ。本放送は日曜の深夜なので、聴くのは厳しいですが、TBSラジオCLOUDで聴きたいと思います。
https://radiocloud.jp/archive/life/radiocloud.jp
あ、番組公式ページでも聴けるみたいです。
www.tbsradio.jp
(為田)