教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

「どの機種がいいかは、目的によります」という話

 「結局キーボードがないとダメだった」 ─タブレット市場動向─(小久保重信) - 個人 - Yahoo!ニュースを読んで、なるほどなあと感じます。アメリカ市場での最新レポートでiPadなどのスレート型のタブレット端末の出荷が減ってきていることがまとめられています。文教市場で進んでいる“教育の情報化”によって、「iPadがいいですかね?」と学校のICT担当の先生に訊かれることは多いのですが、僕は「どんな授業をしたいですか?」「児童(生徒)がどんなふうに教室で使っている場面を想像していますか?」と質問で返します。
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 今回のニュースのタイトルには、「結局キーボードがないとダメだった」と書かれていますが、ここまで悲観的ではありません。iPadはキーボードはないですけど、写真や動画の撮影は便利だし、撮影した写真や動画をシェアするのも簡単だし、非常に良いと思っています。アプリも多いし、動きもキビキビと早い。学校外へ持ち込むのも簡単です。
 でも、「がっちり文章を書かせたい」とか、「データをまとめてシミュレーションをまわしたい」というところまで、先生の視野が広いと、やはりキーボードがほしくなるかもしれませんね…、というふうに先生方は言います。
bylines.news.yahoo.co.jp


 大事なことは、「何に使うのか?」という目的。「その機器が適しているか」という評価は、その目的と照らし合わせて初めてできるようになります。非常に簡単で単純なことです。ぜひ、こうした視点で、学校でのICT導入を進めていってもらいたいと思います。
 まだまだ一人1台には程遠い、日本の学校でのICT整備率ですが、とはいえ、これから整備する学校は、既に導入をしている学校の“いいところ”と“悪いところ”を見て、後出しジャンケンができるということになります。同じような授業を志向している学校を見学に行き、実際にどんな機器を使っているのかを見学してみるといいのではないかと思います。

(為田)