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学校で使えるクリエイティブデザインアイデア#16:ゴチャゴチャしていると感じたら、引き算のデザイン(フォントを減らす

 この連載では、学校の先生が普段使えるクリエイティブデザイン観点でのアイデアやポイントをご紹介させていただきます。
 前回に引き続き、ひき算のデザインを活用して、情報が伝わりやすくなる方法を紹介します。前回までの「見せたい箇所を減らす」「装飾を減らす」「色数を減らす」 については、以下をご覧ください。

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今回は、「フォントを減らす」について紹介します。

いろんなフォントを使いすぎて読みにくいときは、フォントを減らす

 フォントの種類は、繊細な感じのもの、ポップなもの、かわいらしいもの、力強い感じのもの、和をイメージさせるものなど、いろいろな種類があり、選ぶのがとても大変だと思います。よくやってしまいがちなのが、話題ごとにフォントを変えてしまうことです。見出しだけならともかく、本文も話題ごとに変えてしまうことで、読みにくさを感じさせてしまうことがあります。
 過去に紹介した記事で、見出し・本文に適しているフォントの種類をまとめたものがあるので、そちらも参考にしてみてください。

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▼さまざまなフォントを使いすぎて、読みづらくなってしまっているもの
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▼本文に使うフォントを統一させて、見出しだけフォントを変えているもの
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●タイトルと大見出し部分の変更点
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 元々タイトルに使われていたフォントは、行書体という和っぽいフォントだったので、丸ゴシック体にしてポップな印象にし、大見出しよりも目立たない細めのものに変更しました。また、使用したフォントは大きめのものだったので、少しフォントサイズを落としました。
 大見出しでは、「助け合い」「が生まれた」「運動会!!」で3種類のフォントが使われていましたが、「助け合い」と「運動会!!」は同じフォントにし、「が生まれた」のフォントは細めのものに変更して、「助け合い」と「運動会!!」が同じくらい目立つようにしました。


●本文中の変更点
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 元々は、赤字の部分が太いポップ体というフォントになっていましたが、本文にこういった太いフォントは適しません。ポップ体やゴシック体のような太くがっしりしたフォントは、パッと見で目立つので見出しに向いていますが、本文に使用すると読みにくくなってしまいます。太くしたい場合は、明朝体を太くするか、ゴシック体の中でも太すぎないものを使用するといいでしょう。その際も、常に読みにくくなっていないかどうかを意識して確認するようにしましょう。


●下半分部分の変更点
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 元々は、見出しと共に、中身の文章までフォントがバラバラなので、とても見づらくなってしまっています。また、個人情報の部分の本文は明朝体が使われているのですが、見出しなどに適した太めの明朝体を使っているので、読みにくくなってしまっています。
 変更後は、中身の文章については、すべて同じフォントで統一させ、見出しの部分だけ話題によってフォントを変えました。その際も、使用するフォントによって見た目の大きさが異なるので、見た目の大きさが同じくらいになるように、フォントサイズを調整しました。


 フォントは、話題に合ったデザインのものを選ぶだけでなく、見出しであれば目立つかどうか、本文であれば読みやすいかどうか、ということを意識して選ぶといいでしょう。
また、他の話題との情報の優先順位も意識して、フォントによって見え方が変わってしまっていないかどうかを意識するといいでしょう。


(前田)