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京都教育大学附属桃山小学校 授業レポート No.4 (2016年11月10日)

 11月10日に京都教育大学附属桃山小学校を訪問しました。朝の時間からずっと、木村明憲先生が担任をされている、4年2組の教室で授業を見学させていただきました。今回は、理科の授業をレポートします。

実況中継:理科

 理科の時間は、月についての勉強でした。前時の板書をモニターで投影して復習します。月に関わるさまざまな問題を書き出したようです。そのリストを元にして、「みんなで問題を解決していきます」と木村先生がこの授業で行なうことを伝えます。
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 月について、個人的に調べてきたものなども、すべてロイロノートスクールでみんなで共有していきます。木村先生は、「生徒間通信をOKにするので、先生を含めてみんなに送って」と言います。これで、いろいろな資料をクラス全体で共有することができるようになりました。
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 続々と、大量に情報が自分のロイロノートに入ってきます。木村先生は、「たくさんの情報が入ってくるということは…“必要な情報を選ぶ”ということをしなければならない」と子どもたちに伝えます。そうしたことを考えながら、また、どうやってまとめていくのがいいかも考えながら課題を一つずつ解いていきます。20分をタイマーで設定して、子どもたちは活動を開始します。
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 たくさんの情報がロイロノートスクールに入ってくるので、資料を最初に見て課題を考えるのではなく、「たくさんある課題を選んで、それに合いそうな資料、情報を選んでいく方がいいよ」と木村先生がアドバイスします。「いちばんよくないのは、ひとつも問題が解決しないということだから、どうやったらいいかを考えて」と。ロイロノートスクールで共有されたものだけでなく、自分でインターネット検索の内容を使うこともできますし、もちろん書籍や図鑑などを使うこともできます。解説動画を見ている子もいました。
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 資料をたくさん集めて、それをまずは自分で見られるようにし、必要のあるもの意味のあるものをチームに共有する、という情報の使い方は、我々が仕事をするなかでも使っている方法です。「月についての問題を解く」という活動のなかで、それとまったく同じスタイルを体験できるというのは非常にいいのではないかと思いました。ある人にとって価値のある情報でも、ある人にとってはそうでもないこともあります。どんな情報が必要なのかを取捨選択する練習として、与えられる情報を多くして、それを選別する作業をするというのは非常に大切なことだと思います。
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 僕が見学したこの時間では、月の問題の解決まではたどり着きませんでした。リストの中には難問も多く入っていましたので、果たして解決したのだろうか…と心配ですが、こうしてみんなで協力して情報を集め、取り組んでいただろうと思います。

 No.5に続きます。
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(為田)