11月8日に、和光中学校・高等学校の小池則行先生を訪ね、授業を見学させていただきました。授業見学後に、準備室で小池先生とディスカッションをし、情報科のカリキュラムについて話を伺いました。
和光では情報の授業は1年生のときに2単位あり、2年生以降は選択となります。高校1年生では、ネットリテラシーを最初にコンピュータを使わずに5時間~6時間学び、それからGoogle Appsのアカウントの説明をし、メール作法を学び…というふうに進んでいくそうです。アカウントは機械的に決めているそうですが、パスワードは各自で決めているそうです。パスワード忘れが面倒ではあるけれど、「一人ずつやることに意味がある」ので、こうした仕組みをとっていると小池先生は言っていました。こうした「こういうふうに使うようになってほしい」という学校側の思いがあることは本当に大事なことだと思います。
また、タイピングの練習として毎時間1分間の練習をしているそうです。「私のタイピングシート」というのを用意して、WordとExcelで入力文字数・正タイプ数・誤タイプ数を記録させるそうです。タイピングのスピードや正確性は、コンピュータを使ってさまざまな活動をする際には必要になってくるスキルであり、しっかり時間をとって練習をすることに、小池先生が価値を置いているのがわかりました。タイピングをしっかりできるようになることで、「他教科でも使える」ようになってきていると小池先生は言います。タイピングのスキルが上がることで、他教科でもICTを活用されるようになれば、ICTを活用した授業を広げていくのに追い風になると思います。タイピングが遅いと、そもそも思考の速度にアウトプットの速度が追いつかなくなってしまうので、ストレスになってしまうと思うからです。教える側としてもストレスだし、学習者としてもストレスだと思います。
タイピングの他にも、アプリケーションとして、Word、Excel、PowerPointを使えるようにしていくそうです。今回見学したのはExcelの授業でしたが、この後、3分間プレゼンテーションをするためにPowerPointを使うように進んでいくそうです。
情報の授業が選択科目となる高校2年生ではデジタルデザインという講座が設けられています。Illustratorを使ってデザインをするそうです。第2コンピュータ室の壁に作品が貼ってありました。漢字をもとにデザインする活動ですが、非常におもしろいと思いました。
高校3年生では、プログラミング講座を行っており、コンピュータの制御などを学んでいるそうです。
小池先生は、和光ではICTの端末を教員主導のかたちで使ってもらうのではなく、生徒主導で使ってもらいたい、と言っていました。そのためには、1年生のときにしっかりと基礎を学び、その後は選択科目でより高度なことをする方向性と、一般教科でICTを使う方向性と、両方への方向性を持つのだと思いました。
No.4に続きます。
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(為田)