2017年11月24日に、千葉県立袖ヶ浦高校 情報コミュニケーション科の平成29年度課題研究発表会に参加してきました。今回は、課題研究発表会のプログラムの最後にあった、情報コミュニケーション科の科長である永野直 先生による、「本日の課題研究について」と題したプレゼンテーションの様子をレポートします。
永野先生のプレゼンテーションからポイントをメモしたものを公開します。
- 今年の1年生が7期生。課題研究は3年次にあるので、今年で5回目。
- 情報コミュニケーション科は、やるべきことは変わってもその目標はスタート当初から一貫して同じフレーズ
- 「10年先に必要な力を」
- スタート当初に言っていた10年先が近づいてきている。フレーズは同じでも,その「10年」は絶えず変化している。
- 教わっていないものはわからない、ではなく、自分で考える。
この、「10年先に必要な力を」というフレーズは、これからICTを学びの場に取り入れようと考える学校が考えなければならないことだと思います。このフレーズを言うということは、「10年先にどんな社会がやってきていて、その社会で子どもたちが自己実現するために、どんなスキルを身につけていなければならないのか」ということを考えていなければならないからです。
永野先生は、ICTによって学びの可能性が広がっていることを実感しつつも、一方でICTが「情報を消費する」方向で使われていることについても言及しています。
永野先生は、生徒たちに「情報を消費する/利用する側から、目的を実行したり、創造したりできるようになる」ようにICTを使ってもらうことを目指しているのだと思います。
- 今日は情報の課題研究だったが、あらゆる教科のなかで、いろいろな目的で使っている。
- 生徒は先生の話を聞いて、それをノートに書いて、覚える、というのが勉強だと思っている。が、学びとは,ただ話をきいて覚える,一人でやるもの,ということではなく、いろいろな学習活動があるのだということがわかるようになる。
- 多様な学習活動をするのに、iPadがあると便利になる。
- 何を学ぶかはもちろん大事だが、「どうやって学ぶか」も大事だし、それによって「どういったことができるようになっていくのか」ということは特に重要になっていくと思う。
- 自分たち,チームで力を合わせて社会的な価値を作るという体験をさせたい。
- 「授業の中で、何ができるようになりましたか?」というのを、卒業後、3年間であなたは何をしましたか?という答えとして自ら自信を持って語れるようになってほしい。
- 課題研究の中では、他者と協力しながら、社会にどんな価値を生み出すのか。
- 各々が異なる自分の良さ,自分の好きなことについて自信を持ち,胸をはって「自分はこれを作った」と言えるようになってほしい。
- どんな生徒を育てたい?
- 生涯にわたって学び続ける人を育てたいと思ってやってきたし、やっていきたい。
高校の数多くある授業の中の、情報科の時間だけでなく、もっとさまざまな場面での知的活動や創造的活動に、ICTが使われるようになることで、生徒たちは永野先生が求める「情報を消費する/利用する側から、目的を実行したり、創造したりできるようになる」生徒たちが育っていくのだと思います。
先輩たちの課題研究発表を見た後輩たちが、またこの伝統を繋いでいくのだろうと思います。主体的に学ぶことのできる、良いLearnerを育てる環境がここにはあると感じました。来年度の課題研究発表会も、ぜひ訪れたいと思いました。
(為田)