2019年5月30日に放送されたNHKスペシャル「“不登校”44万人の衝撃」を見ました。中学校の不登校が11万人。これに、学校に行っても教室に入れない隠れ不登校が33万人で、合わせて44万人となります。番組のなかでは、LINEと協力してアンケートもとっていて、「授業がわかりにくい」「先生がしっかりしていない」「宿題ができない」「相談できない」などの理由が挙げられていました。学校の本質的な役割とは何だろう?と考えながら見ました。メモをTwitterに挙げたものをまとめます。
不登校の理由については、不登校新聞で理由も挙げられていました。これが文部科学省の調査と全然違っていて、こうした理由を突き止めるのは難しいと感じました。
futoko.publishers.fm
苫野一徳先生は学校のシステムが限界を迎えているとして、ポイントとして「細かなルール」「学力向上至上主義」「教師の多忙化」を挙げられていました。
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月30日
このあたりについては、先日読んだ苫野先生の『「学校」をつくり直す』にも通じます。
blog.ict-in-education.jp
不登校の人たちにとってのゴールを、先生は「教室に戻ること」だと思っているのではないか、と。番組に寄せられていたコメントのなかで、ゴールは「生きること」だと思うというのがあったけど、本当にそのとおりだな、と思う。
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月30日
学校がどんな役割を果たすべきところなのか、ということが問われるようになってきていると思います。僕は学校は、社会に出るための必要最低限の知識などを学べる場所であり、社会へ仲間として受け入れるための場所だと思っています。
こうした役割は、以前は学校が果たすしかなかったかもしれませんが、いまや学校以外もいろいろとできるようになってきているので、学校に合わない人は、学校以外で同じことを学べるならば、それでもいいのかと思っています。必要なのは、学校に近い機能を持つ場所が多様であって、人それぞれに合わせて選べることかな、と思っています。
広島県教育委員会の平川理恵教育長が取材されている。不登校は子どもたちの学校に対する「ボイコット」だと思っている、というコメント。昨年度までは横浜市のうちの区の中学校で校長先生をされていました。校内フリースクールなど、新しい居場所を作る試みをしていた様子が紹介されました。
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月30日
学校は、みんなが同じことを同じように同じペースで、っていうのが本当に大変なんだな。子どもたちの変わる機会は本当に多様だし、それぞれのペースで、それぞれのやり方で変わっていくのだな、と思う。自分が、学校の教室で楽しく学べたのって、ただの偶然だったんだな、ラッキーだったな、と思う…。
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月30日
広島県教育委員会の海外のイエナプランの学校視察の様子がレポートされていた。Chromebook使ってる!(使っている子どもも、使っていない子どもも、教室の中にいる)
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月30日
視察に行かれている教育委員会の皆さんの議論の様子。「学習規律って必要だなと思ってきたのでは?」「それに合う子もいるけど合わない子もいる。それが不登校」「学校制度そのものが崩れる?」「学校を守るために子どもの教育があるんじゃない。子どもに必要だから学校がある」…正直な議論だと思う。
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月30日
イエナプランの学校を見たあとの先生方の議論は、短かったですが、もっと見ていたいと思いました。改めて、公教育について考えるというのは必要なことだと思います。
ここから議論が始まって、さまざまな選択肢が子どもたちにとってできてくるといいな、と思います。また、そのなかでEdTechや教育ICTが果たせる役割も大きいと思います。
(為田)