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小金井市立前原小学校 授業レポート No.1(2019年5月24日)

 2019年5月24日に、小金井市立前原小学校を訪問し、蓑手章吾先生が担任されている5年1組の授業を見学させていただきました。今回は、朝の時間の様子をレポートします。子どもたちが登校してくる前の教室の黒板には、蓑手先生から「今日のゲストは為田さん。社長です。いつも通り、よい準備を」とメッセージが書かれていました。
 また、今年度は5年生全クラスで配布されているという、1週間の予定表が貼ってありました。避難訓練などの行事予定だけでなく、各教科の進度も書かれている予定表です。例えば算数のところに「1/4」と書かれていたら、「4回やったらテストがある範囲の1回目の授業だ」というのがわかるそうです。4時間目の社会の時間の中で、蓑手先生が「テストはもうすぐですか?」と質問したら、「あと1回」と子どもたちから返事がありました。こうしたやり取りができていることから、とても自主性をもって学習ができているのだな、と感じられました。
 宿題は先生から出されるのではなく、自学になっているので、この予定表を見ながら自分でやるべきことをやってこないといけないことになっているそうです。いずれこのあたりもデジタル化されるかもしれません。
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 前原小学校では一人1台環境が実現しています。5年1組はChromebookを一人1台で使っています。完全に自分持ちの端末で、朝の時間にも、調べ物をしたり、画像を検索したり、いろいろな使い方をしています。
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 前原小学校のほとんどのクラスで、朝の健康観察を「朝ノート」という活動で行っています。一人ひとりがChromebookで、まなびポケットを開いてログインし、スクールタクトを開き、「元気です。むしにさされた。」などの報告を書いていきます。また、蓑手先生のクラスでは、昨日のMVPだと思う児童の名前を書き込んでいました。ただ文章を書くだけでなく、みんなに受けそうな画像や自分の好きな画像を貼り付けている児童もいました。
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 自分の書き込みが終わったら、クラスメイトのコメントを読みに行き、「いいね」をつけたりコメントを書いたりしていました。ただ自分の状態を書くのではなくて、こうして他の人の朝ノートを読むことで、クラスメイトとの距離が縮まると思います。普段あまり話をすることのない人の朝ノートにコメントをしたり、ということもあるそうです。
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 子どもたちだけでなく、蓑手先生も朝ノートにコメントをどんどん書いていきます。「2時間目の途中で避難訓練らしいよ」とか「今日、野球見に行くの?」などコミュニケーションが続いていくようなコメントが多く出ていました。
 普通に教室で健康観察をすれば、クラスメイト同士で話をすることはなかなか難しいです。できても、席が近い人とだけになります。そうしたところを補うことができる方法だと思いました。
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 教室でみんなでChromebookに向かってキーボード入力をしている教室はとても静かです。でも、スクールタクト上では、さまざまなコミュニケーションがされていて、オンラインでの静かなコミュニケーションは、確実にオフラインでの子どもたち同士の関係、先生と子どもたちとの関係にも反映をされていくだろうな、と感じました。

 NO.2に続きます。
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(為田)