教育ICTリサーチ ブログ

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『クリエイティブ・ラーニング 創造社会の学びと教育』 ひとり読書会 No.1「プロローグ」

 井庭崇『クリエイティブ・ラーニング 創造社会の学びと教育』をじっくり読んで、Twitterハッシュタグ#クリエイティブ・ラーニング 」を使って、ひとり読書会を実施したのをまとめておこうと思います。

 まずはプロローグから、気になった部分をレビューしていきたいと思います。まず、井庭先生が、これからの社会をどのように捉えているのか、というところが書かれています。

 井庭先生は、「消費やコミュニケーションは、「つくる」という文脈に取り込まれて価値を発揮するようになるのである」(p.8)とも書いていて、この文脈でプログラミング教育を考えると、いま行われようとしているプログラミング教育の見え方はずいぶん違ってくるように思います。自分で何かをつくっていうのに、プログラミングはすごい力になる。プログラミングでコードを書けないにしても、さまざまな知的生産活動において、デジタル/ICTを活用できることは、「つくる」という活動のための大きな武器になります。

 では、こうした新しい社会がやってくるなか、教育はどんな形であるべきなのか、と話が進んでいきます。ここで、本のタイトルにもなっている「クリエイティブ・ラーニング」という言葉が登場してきます。

 学校が創造の「経験」を重ねる場になるということは、さまざまな創造にチャレンジできる、いわば冒険できる場であるということだし、さらに、冒険に何度も挑める場でなければなりません。井庭先生は、学校の役割を「創造が冒険であることに変わりはないが、その大枠として安全・安心な領域であり、その冒険に専念できる環境が提供される」(p.15)と書いています。

 学校が創造の場になるために、教師の役割はどのようなものになるのか、が続けて書かれます。

 教える/教わるの関係から、一緒につくっていく関係に変わっていく学校というのは、実際に実践している学校も存在していると思っています。PBLやプログラミング教育、探究学習もそうだと思いますし、経済産業省が「未来の教室」実証事業のなかで挙げているSTEAM教育も、共有している物が多いと思いました。

 ほぼほぼプロローグだけで、目指すべき方向が力強く示されていて、自分的には大満足です*1

 No.2へ続きます。
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(為田)

*1:が、ここまででページ数は640ページ中30ページくらいです 笑