2019年9月18日に、山形市教育研究会メディア教育部会 第4回研修会に、講師としてお招きいただきました。今回の研修タイトルは、「EdTechって何?~テクノロジーが学校をどう変えるか、体験してみよう~」としました。
昨年度にもいくつかアプリなどを紹介させていただいたので、それと重ならないように、いくつかのICTを活用した授業事例を紹介しました。
Googleフォームでリアルタイム集計
事例として、Googleフォームを使ったアンケート実施についても紹介しました。URLをPC室にインストールしてあるSkyMenuで送りましたが、その他にもQRコードを作成しておいたので、手持ちのスマホやタブレットから、研修中ではありますが「研修参加者アンケート」を答えてもらいました。
研修中にアンケートに回答してもらったのは、リアルタイムで集計されていく様子をみなさんに見てもらいたかったからです。何もしなくても、どんどんアンケート結果が円グラフになっていく様子が見られます。
Googleフォームを活用している学校は増えてきているように思います。授業評価アンケートをしていたり、ふりかえりを書いてもらったりしている学校はあります。また、朝の欠席連絡をGoogleフォームから送れるようにしている学校もあります。
僕の子どもが通っている小学校では、学区パトロールの報告をQRコードを使ってGoogleフォームへアクセスしてもらって書いてもらうように昨年度からしました。これで記録も残るし、報告用紙を書きに学校へ戻らなくてもいいようになりました。どうしてもできない人はメールでもいいです、というふうにしておけば、意外とスムーズです。
こうして、簡単にアンケートフォームを作れることがわかれば、学校での「懇談会への出欠票」や「授業評価」など、活用できそうな場面は、先生方の方でどんどんアイデアが出てきます。簡単なものからまずはやってみて、それぞれの学校でどれくらいの問題が出るのか、バックアップの手段として何を用意しておけばいいのか、ということが分かれば、ぜひ実施してみてほしいと思います。
用紙の印刷、配布、回収、集計という業務は一気に楽になります。「こういうことができる」ということを知ってさえいれば、あとはやり方に詳しい人に訊くのでもいいし、検索をしてみたらだいたいのことはできると思います。
こうした授業以外のところでも、ICTが先生方の助けになればと思いますし、そのきっかけのひとつに、この研修会がなればいいな、と思います。
研修に参加して、良かったと思うこと
最後に、このときに書いていただいた感想を紹介していきます。まず、「研修に参加して、よかったこと」です。さまざまなアプリを知ることができたこと、そこから「新しい授業を考えるヒントをたくさんもらった」という感想は、講師として非常にうれしいです。
- 楽しみながら参加できたことです
- 江戸のテクノロジーでないことがわかりました。
- いろんな可能性を知ることができた。
- 知らなかったアプリを教えていただいたこと。
- 知らない最新アプリなど、また使えるスキルが増えた
- 新しいことをたくさん学べました。使えるようになるかが大事だと思いますが…
- インターネットで、映像電話してみたいです。
- 前回もICTの進歩を感じましたが、今回も感じました。スクールタクト、ものすごく使ってみたいと思いました。あれが実現できる環境がほしいなあ。教育の情報化にお金を使う国と、使わない国でどんどん差が開きそうだと思いました。
- 現在の状況がわかり、よかった。
- 新しい授業を考えるヒントをたくさん教えていただけて、ありがたい。
- 自分で操作できた。新しい話を聞くことができた。
- スクールタクトで交流するのは楽しそうです。一人一台環境がほしいです。
- iPhoneのアプリclipsなど面白い活用方法を知ることができ興味深かった。
- 今後の展望と同時に、現在進行系の事例もバランスよくおりこまれていて大変有意義な時間となりました。
また、そこからさらに深めて、これからの学校がどうなるだろう、というコメントを書いてくださった方も多かったです。こうしたコメントも、研修が問題提起の機会になったということだと思いますので、大変うれしいです。
- アタマプラス・・・考えさせられました。
- これから教師の役割も変わっていくのだなあと実感しました。
- これからの小学生は、幸せですよね。授業はわかりやすくなるばかり。
- スマホやタブレットがないと話が進まないことがわかりました。
- EdTechによる未来の学校が、少しずつ見えてきたこと。
- ここ2~3年後学校がどのように変わっていくのか楽しみになったこと。
- EdTechによって近い将来、学校教育が大きく変わるのではないかという思いを持ちました。
- 目からうろこの情報ばかりでした。人間の幸せってなんだろうと考えさせられました。悪いいみではありません。しげきになりました。
- 「今までのやりかたでいい」という自分の考えの改善になりそうである。
登壇者、主催者へのコメント
最後に「登壇者、主催者へのコメント」も書いていただきました。「来年もお願いします!」と書いてくださっている先生方が多くて、どうもありがとうございます(笑)
- 日本中を飛び回って、日本の教育を変えようという熱い思いを感じました。
- 来年もたくさんの事例をお聞きできれば幸いです。
- どんなものか体験しながら話を聞いたり、実際の画面を見ながら話を聞いたりできたので、分かりやすい。
- zoomが使えるようになりたいです。
- 今まで知らなかった新しい知識を得ることができました。
- 毎回、楽しくて、ためになる話、ありがとうございます。
- 漠然としていたEdTechについて少し分かったような気がします。
- 大変わかりやすいお話で、あっという間の時間でした。常にアンテナを高くしておかなければと感じました。
一方で要望もいただきました。こうしたフィードバックは、次回以降に活かしたいと思います。ありがとうございます。
- タブレットが一人に1台あればこそですよね。
- 今日の内容以外ももっと知りたいと思いました。
- もう少し、将来何ができるのか、最初のビデオのようなものが見たい。
- 学校にあるソフトの効果的な使い方も知りたい。
最初のビデオ(「Society 5.0」のビデオ)は、やはりイメージがわくということかもしれません。また、「学校にあるソフトの効果的な使い方も知りたい」というのは、たしかにそのとおりで、これが実現すると、「いますぐできるICTの活用事例」を先生方にお伝えできるということになります。そうした形の研修も実施させていただきたいと思います。
最後に、ある先生が書かれていたコメントは、参加してくださった先生方、そして我々学校に関わっている民間の者も一緒に、継続的に考えていくべきものだと思いました。
- 近未来には、学校もなくなるのだろうか・・・
個人的には、なくならないと思います。ただ、学校という形で学ぶ以外の選択肢が多く出てくるのだろうと思っています。そうなったときに、他の選択肢と比べて、明らかに学校だけが遅れている/劣っているということになっていてはいけない。ならば、社会のテクノロジーの進歩と合わせて、子どもたちが巣立って出ていく社会の形に合わせて、学校の姿をアップデートしなければならないと思っています。
では、どういったアップデートの形があるのか、そこでは、先生方にしかできない、学校にしかできない、教育の姿があるはずだと思います。それを試行錯誤しながら先生方と一緒に創っていく、そういう仕事をしていきたいと思っています。
講師としてお招きいただきました、山形市教育研究会メディア教育部会の幹事の皆さま、どうもありがとうございました。
(為田)