2020年2月19日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問し、樋口万太郎 先生が担当する5年2組の算数の授業を見学させていただきました。
今回の授業は、児童が自律的に学ぶスタイルでした。全5時間の単元「円の周りの長さ」のなかで、教科書・デジタルドリル やるKey・算数プリント作りを、自分のペースで自分の学び方で行っていく、という授業の様子をレポートします。
教科書はページが指定されているところを行います。やるKeyは、先生画面で宿題として出すドリルを指定できるので、宿題として出ているドリルをすべて解いてもらいます。
やるKeyは、アダプティブラーニングのための教材で、児童一人ひとりに対して、学習履歴に応じて違う問題を出すことができます。やるKeyは、ノートに計算などを解いて、空欄に回答を入力していく仕組みになっています。iPadに慣れている児童は、iPadをスプリットビューにして、ロイロノートやメモアプリを立ち上げて、そこで計算をしていました。
やるKeyの解説部分をスクリーンショットで撮影して、自分用に編集して保存している児童もいました。こうした、プリントなどで行うと時間がかかってしまう学び方も、デジタルだとできるのはいいところだと思います。
一人ひとりが、自分で選んだ教材を使って学んでいるのですが、樋口先生が1年間子どもたちに大切にするよう伝え続けてきていたという「教え合い」「わからない子をサポートする」という学び方も、きちんと教室に存在していました。グループの中でわからない児童がいると、グループ全体で教え合ったりしていました。
算数プリントづくりは、「かわいいフリープリント集 ぷりんとや」(もちろん、このサイトのパロディですね)をロイロノート・スクール上につくり、そこに児童が自分で作った問題をどんどん載せていき、クラスメイトが解いていく、というものになっていました。それぞれの問題には、「こんな人にオススメ」という欄があり、そこには「基礎を理解したい人」や「演習の計算が苦手な人」のように、こんな人に解いてほしいという作問者の思いが書かれています。
デジタルドリルや児童が自分たちで作り解き合う問題づくりなどが教室内で同時に行われているなか、樋口先生は子どもたちの様子を見てまわり、言葉をかけたり、説明を補足したり、しています。デジタルで出題や採点などの部分の効率化がされたぶん、先生が児童一人ひとりの様子を見る時間が生まれているように思いました。
No.4に続きます。
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(為田)