新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が打ち出した小中高校や特別支援学校などの臨時休校が2020年3月2日から始まりました。休校の状況にあっても、ICTを活用することで教育活動などを継続している学校の実践を「休校×ICTでやれたこと」として紹介していきます。
今回は、宝仙学園小学校の吉金佳能 先生からいただいた実践で、「セルラーiPadを活用したオンライン授業と教職員の在宅ワーク」です。
Q1:どんなふうに使っているかを具体的に教えて下さい。
吉金先生:セルラーiPad、Zoom、ロイロノート・スクール、Google for education、Monoxer、YouTube 他を活用して、以下のような実践をしています。
- Zoomを活用したオンライン授業(iPadを個人持ちしている3年のみ)
- オンライン授業は、日時と内容、ミーティングIDをお知らせして実施。(参考:オンライン授業の試み | 宝仙学園小学校)
- オンライン授業の準備のための保護者への連絡は、mypaというシステムを活用(メール配信・資料共有・オンラインでの出欠連絡などができるツール)。
- 子どもたちへの連絡は、Google Classroomを活用。連絡だけでなく、コミュニケーションもとっている。
- オンラインで学習コンテンツ配信
- 教職員の在宅ワーク
- 民間教育&EdTechサービスの紹介(サイトや無償提供キャンペーンなど)
- 卒業式のYouTubeライブ配信(3月13日実施予定)
ふだんからiPadを活用した授業を行っているので、スムーズに稼働させることができているのではないかと思います。子どもたちへの連絡だけでなく、オンライン授業の準備のために、保護者への連絡も行うのは、重要なポイントではないかと思いました。
また、それ以外にも、教職員の在宅ワークにも進んでいっているのもいいと思います。平常に戻ったときに、新しいワークスタイルが学校に増える形になると思います。こうして、テクノロジーをツールとして活用する先生たちの姿を、子どもたちも見て使いこなせるようになっていくのではないでしょうか。
Q2:「もっとこうであればよかった」ということがもしあれば教えて下さい。
吉金先生:休校が決まった時点で、春休みの準備ではなく、在宅学習を最大化するにはどうすればよいかという視点での議論が必要だったと思っています。その時点では、オンラインの可能性を検討することもできませんでした。
オンライン授業を実際にやってみて感じたのは、学びだけでなく、安心や楽しさを届けることができるということです。本校は、毎日とはいきませんでしたが、いま試行できたことが、学校としての成長につながると考えています。
まとめ
吉金先生からコメントをいただいています。
吉金先生:想定外の事態に、学校の力、組織の力が試されていると感じています。日常から、変化に強い組織は、切り替えがはやかったですね。本校も、今できることを最大限思考し、行動に移しています。
想定外の事態に、力が試されているのは、学校だけでなく日本の社会にある多くの組織も同様だと思います。変化に対応できる大人の姿を、子どもたちに見せることは非常に重要だと思っています。
吉金先生、どうもありがとうございました。
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実践紹介と共に、「もっとこうであればよかった」も合わせてまとめておけば、GIGAスクール構想後の学校に役立つ知見になると思います。引き続き、フォームからの投稿を受け付けていますので、どうぞよろしくお願いします!
(為田)