2020年5月21日に、奈良女子大学附属中等教育学校の二田貴広 先生が行ったオンラインコラボ授業を見学させていただきました。
いくつか、「ああ、こういう工夫はいいな」と感じる点がありましたので共有したいと思います。
授業前の工夫
授業開始時間の少し前にZoomでアクセスしてみると、BGMがかけてあって、それが音声が聞こえるかどうかのチェックになっていました。さらに、どんなことをチェックしてほしいかがわかるようにPowerPointでまとめて提示されていて、「不具合があったらチャットに書いて!」とトラブルシュートのための準備もできていました。生徒たちを迎える側としてこうした工夫は非常に重要だと思いました。
できるときに準備はしておく
授業の最初に、二田先生は「登校してもグループ活動を対面ではできないと思います。Zoomのブレイクアウトセッションでグループ活動をするということも考えられるので、その練習としてブレイクアウトセッションをしておきましょう」と言い、一瞬だけブレイクアウトセッションで全参加者(123人)を4人~5人のグループに分けて、今後行なうかもしれない授業についてのイメージを持ってもらうようにしていました。
こうした、「どういう問題が考えられて、そのためにこういう解決策を考えている」というのを、先生方が少しずつでも生徒たちに伝えることができるのは素晴らしいと感じました。
生徒が知っているスキルはどんどん使ってみる
途中、チャット画面を大きくするやり方が参加者の生徒からチャットで提案されました。Zoomのチャットは初期設定だと横幅が狭くて、改行がたくさん入ると読みにくくなります。二田先生が、少しそういったことをマイクを通して行ったら、ある生徒から、「チャット画面の横幅を広げたらいいと思います」とチャットに書き込みが入りました。
こうした仕組みについては、生徒たちの方がよく知っている場面も多いと思います。二田先生も「お、ほんとだ。ありがとう」とお礼を言って、みんなにアナウンスしていました。こうした生徒たちのスキルにも助けてもらいながら、みんなで学びの場をつくっていくというのがいちばんいいのではないかと思いました。
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二田先生がFacebookにて、このエントリーに関してのコメントをしてくださいました。こちらもあわせて読んでいただくほうが、実りが多いと思いましたので、追記させていただきます。(2020年6月6日 10:25追記)
オンラインミーティングでは、音声とか、名前とか、いくつかホストからの指示が必要なことがありますよね。
Zoomを学校で使う場合、本当に部外者がいないかとか確認が必須です。
うちの学校のように、生徒はマイクOFF、ビデオOFFがデフォルトの場合、顔で判断できませんので出席番号と名前を表示してもらわないといけません。
その辺を、音声が聞こえてるかどうかはBGMを流すことで、名前はパワポ指示を書いて画面共有しておき、その準備が整ったら、参加者を待機室からミーティングに入れるようにしています。
最初から画面共有しておけば画面共有設定も共有画面への書き込みの禁止もあらかじめ設定や確認することを忘れませんし。
ビデオOFFに私は「そこまですんの?神経質だなぁ。ビデオミーティングの良さがなくなっちゃうのに」と批判的だったんですが、デフォルトにしたのは結果的に良かったなぁと思います。
家の中映したくない子や親御さんもいると思いますし、布団に寝転びながらでも(見えてないからわかりませんが)受講できますしね。ビデオONがデフォルトだとOFFにすることについて勘繰られちゃいますものね。
制服着てビシッと!ということも分からないではないですが、ビデオOFFがオンラインの学びのハードルを下げるのは間違いないです。
為田さん、以前、「学びの質とか、アクティブ・ラーニングとかの方法とか大事ですけど、その前に学びに取り組もうとするワクワクとか無いとどんな良い学びでもパフォーマンスが上がらないよねー」っておっしゃっていたでしょう(成城の時だったような)。
それと似てるかなと思います。学びへのハードルを下げることも大事かなと思います。
制服でビデオONでビシッと、が学びへのレディネスを整える、という考えもわかりますけどね。
(為田)