教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

マネーフォワードのUIデザインリニューアルで考えた「アップデート」

 家計簿アプリとして、マネーフォワードを使っているのですが、先日ウェブ版がリニューアルされました。が、ユーザーから「これは改悪だ」という声を受けて、デザインを元に戻すというアナウンスがされました。
www.itmedia.co.jp

 著者として関わった『学校アップデート』のなかで、堀田龍也 先生が、「アップデートの裏に、「アジャイル」の考え方」があるということを書かれていて、僕も研修のなかでときどきこの説明をしますが、マネーフォワードの今回の対応にも、この「アジャイル」の考え方が見えるな、と思いました。
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 コンセプトやビジョンなどをアジャイルにどんどん変えていく、ということは避けるべきですが、最終的なデザインなどに関しては、良かれと思ってやってみたもののユーザーの声に答えて勇気をもって元に戻す、ということも選択肢として持つことは大事だと思います。
 今回のこのマネーフォワードのデザインについて、学校現場でのICT活用であれば、これはどういうことに相当するのか、というのを考えてみると、「授業にICTを取り入れてみたが、思ったよりも操作に時間がかかってしまって、想定した成果が得られなかった」というようなことであれば、一度立ちどまって、見直しをしてみればいいと思います。一度うまくいかなかった、というだけですべてを止めてしまうのではなく、「想定した成果を得るために、どこを変えればいいか」ということに対応していけるようになることが必要だと思います。

 そのために、「ICTをなぜ活用するのか」というコンセプトをしっかりと伝えていくことを、自分たちの仕事としてしっかりしていきたいと思います。

(為田)