教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

淑徳小学校 淑徳アルファ カズトロジー 授業レポート No.1(2020年10月6日)

 弊社フューチャーインスティテュートは、淑徳小学校放課後クラブ 淑徳アルファで「カズトロジー」というコンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業を行っています。カズトロジーは図書室のなかにあるPC室を使って授業を行っていて、淑徳アルファの1年生全員と、2年生と3年生の希望者が受講しています。
 カズトロジーでは、2019年度からschoolTaktをプラットフォームとして活用しています。小学校1年生にも最初から1人ずつユニークなIDとパスワードを渡して、自分でログインをしてもらっています。1年生は隔週1回、2年生と3年生は毎週1回、ログインをすることで自分でどんどんログインできるようになっていきます。GIGAスクール構想でも、一人1IDの活用をする学校が増えてくると思います。研修などで先生方に「ログイン、大変では?」と心配されることもあるのですが、頻度高くログインする経験があれば、すぐにできるようになると思います。
 最初だけ、時間がかかりますが、どんどんできるようになります。最初期に時間がかかるからやらせない、というのではなく、頻度を高めて慣れるようにする、というのが重要だと思います。

 1年生の多くは、マウスを使ったこともなかったり、手が小さくて上手にマウスを操作できなかったりもしますので、最初のうちはクリックやドラッグなどの練習を楽しくできるようにカリキュラムを作っています。
 そのひとつに、タングラムを使った練習課題があります。schoolTaktで配布するシートには、自分で動かせる4つの同じ形の三角形と、三角形をぴったりはめる見本(違う色で作って、移動できないようにしてあります)を中央に配置してあります。動かせる三角形をドラッグして動かして、見本と同じ形を作ってもらいます。見本どおりの形を作るためには、最初の三角形はそのまま移動するだけで見本にはめられますが、それ以降は三角形を回転させないと見本にはめられないようになっています。子どもたちから、「これじゃ無理!」「まわせないの?」と質問があがるので、そこで操作を説明するようにしています。
 ぴったり上手にできなくても全然かまいません。回転させて、移動させて、というのが自分の手でできればそれでOKだと思っています。もちろん、みんなで助け合いながらやっていきます。

 できたら2ページ目、3ページ目、とだんだん見本の形を複雑にしていきます。3ページ目は、最初に与えられた三角形だけでは数が足りなくて、見本のとおりにできません。子どもたちから、「足りない!」という声が出るので、「実は、コンピュータでは簡単に増やせるんだよ」と言って、ここでコピーとペーストを教えています。「おお!」「ふえた!」と驚きながら、便利に使っていきます。また、三角形と三角形を組み合わせると四角形ができることも、ここでちょっとだけ紹介をするようにしています。

 最後の4ページ目は、見本はなしで、三角形を1つだけ置いておいて、「これを自由にコピー&ペーストして増やして、好きな形を作ってみてね!」と言っています。子どもたちは、どんどん自分だけの形を作っていきます。みんなが違う形を作っていくのを見るのがとても楽しいです。

 ひとつの形だけしかないのに、組み合わせて別の形を作ることの楽しさを知ってくれたらいいな、と思いますし、間違ってしまってもすぐに元に戻せるし、何度でもやり直せるというコンピュータのいいところも、できるだけ伝えるようにしています。1年生の最初からいろいろなことができなくても全然いいと思っています。楽しくコンピュータをツールとして使っていく素地になればいいな、と思っています。

 No.2に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)