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書籍ご紹介:『一人1台のルール ―― 自由に情報端末(デジタル)を使えるようになるために』

 児童が一人1台のiPadを使っているさとえ学園小学校でのルールを紹介した書籍『一人1台のルール ―― 自由に情報端末(デジタル)を使えるようになるために』が2021年6月28日に発売予定となり、Amazonに書誌情報が掲載されました。

 GIGAスクール構想によって、一人1台の情報端末の配備が進められていますが、一人1台を児童生徒に使ってもらうために具体的に何をすればいいのかと頭を悩ませている学校もあるのではないかと思います。
 実際に現場で子どもたちに使ってもらうために、「どんなふうに使わせるのがいいのか?」「どれくらいまで自由に使ってOKにするのか?」「悪い使い方をしたら困る…」という先生方の悩みに、具体的な事例を提供しようと思い、2018年から一人1台のiPad環境を実現している、さとえ学園小学校で運用されている「一人1台のルール」を紹介した本です。

本書のタイトルになっている『一人1台のルール』は、さとえ学園小学校で運用されている、「さとえ式レベルアップ型ルール」のことです。
ルールというと、「〇〇をしてはいけない」という禁止型のルールを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、さとえ式レベルアップ型ルールは、自由にiPadを使うことができるようになるためのルールです。さとえ学園小学校では、iPadは「かしこくなるための道具」として位置づけられています。したがって、「かしこくなるため」の使用を前提として、どのように使ってほしいのか、どういうことはできるようになってほしいのか、ということを明確にしているのが特徴だと思います。(「はじめに」より)

 禁止型のルールではなく、子どもたちはレベルが上っていくことにだんだんできることが増えていくようになっています。レベルが上っていくごとに、どんどん子どもたちは自由にiPadを使えるようになっていきます。

 チェックシートやレベルアップのために必要とされるスキルとモラルの項目や、チェックシートなど、具体的にどんなツールを使っているのか、どのように評価をしているのか、保護者との連携をどのようにしているのか、ということを具体的に紹介しています。
 また、さとえ学園小学校の先生方にも多くの原稿を寄稿していただきました。日々の現場で子どもたちと保護者とともに一人1台のiPadを使っている先生方の知見が、これから一人1台の情報端末を使いこなしていく先生方に役立つと思います。また、さとえ学園小学校へ見学に来られた方からよく訊かれることについてもQ&A形式でまとめています。

 サブタイトルにあるように、子どもたちが学校で「自由に情報端末(デジタル)を使えるようになるために」、実際に環境を作っていく先生方のお役に立てればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(為田)