教育ICTリサーチ ブログ

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戸田市プログラミング・ICT教育研究推進委員会 講演レポート(2021年7月2日)

 2021年7月2日、オンラインで開催された「令和3年度 第1回戸田市プログラミング・ICT教育研究推進委員会」で講演をさせていただきました。

 戸田市プログラミング・ICT教育研究推進委員会には、市内の全小中学校の先生方が参加して、ICTを活用した新たな学びの研究を行っています。昨年度から顧問として参加させていただいていますが、各校での実践を共有して、ディスカッションをし、各校にフィードバックを持ち帰る、ということをしています。先生方の実践知が交流される様子を見ることができるのは、僕にとっても大変勉強になります。

 今回の講演では、「GIGA端末を活用したICTの文具化と家庭と学校をシームレスにつなぐ学びについて」というタイトルをいただきました。
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 戸田市教育委員会が出している「令和3年度 指導の重点・主な施策」のなかに書かれている内容に触れながら、先生方の「子供たちがICTを文具のように活用する学び」と「学校と家庭の学びを連続的にするICTの活用」という2つの研究テーマに繋がっていくようなお話をできればと思っていました。
 戸田市は、ICTの活用を「教師の教具」から「子供の文具」へと進むように設定しています。Step1ではまだ先生方が教具として使っている感じ、Step2になって、徐々に子どもたちが自分の学びの手段にしていき、Step3になると子どもたちが文具的に活用するようになる、というステップになっています。Step2やStep3に向かうためのポイントとして、いろいろな言葉を学校の現場に落とし込んでいきましょう、という話をしました。
 例えば、今回のテーマにある「家庭と学校をシームレスにつなぐ学び」も、具体的にどういうものなのか?と考えていくと意外と難しいと思います。いまの学校で、ICTがなくても「家庭と学校をシームレスにつなぐ」ことができている学校・学級もあると思います。どういうことが、「家庭と学校をシームレスにつなぐ」ことなのかを考えることこそが、こうして先生方が研究する場でディスカッションすべきことだと思います。それらが明確になってくれば、何を目的として、どんな手段で、どのようにされていれば「実現できた」と考えるのか、を各校の子どもたち、先生方、地域の様子・保護者の様子も含めて考えていくことが大事だと思っています。
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 僕の講演の後はZoomのブレイクアウトルームで、「GIGA端末を活用したICTの文具化」と「家庭と学校をシームレスにつなぐ学び」の研究テーマに分かれてディスカッションをしました。僕は「GIGA端末を活用したICTの文具化」のグループに参加したのですが、「文具化とはどういうことか」について、先生方から多くの意見を伺うことができ、勉強になりました。
 戸田市内の小中学校で、子どもたちが文具としてICTを活用していけるように、先生方の研究のお役に立てればと思っています。今年度の活動を楽しみにしています。

(為田)