教育ICTリサーチ ブログ

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名古屋市教育センター 高等学校探究セミナー レポート(2021年10月6日)

 2021年10月6日に開催された、名古屋市教育センター主催の高等学校探究セミナーに、講師としてオンラインで登壇させていただきました。名古屋市立高校の初任の先生方と10年目の先生方、それと参加希望を出してくださった先生で、あわせて52人の先生方が参加してくださいました。
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 今回の研修でいただいたテーマは「ICTを活用した主体的・対話的で深い学びの実現に向けて」でした。
 ねらいとしては、「ICT機器を活用する際に優先すべき点や重点を学び、さまざまな実践例にふれることで、教育活動の幅を広げること」とされていましたので、高校での授業で活用できるような、ICTの活用事例を紹介していきました。
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 先生方は、一人1台の指導者用端末を使って研修に参加されていたので、対面の研修では最初に挙手してもらう「ICTが好きですか?」「ICTが得意ですか?」という質問にオンラインで参加してもらいました。
 活用例としてこちらで用意したGoogleフォームのURLを、Zoomのチャット欄とQRコードでお知らせして、みなさんに答えていただきました。対面で手を挙げてもらうのとどういうことが違うのか、ということも考えていただければと思って実施したアンケートですが、4択から選ぶ「ICTが好きですか?」「ICTが得意ですか?」については、集計までがすぐにできて、リアルタイムに数字が増えていく様子を画面共有しながら見ていただくことができました。
 「好き」「まあまあ好き」の割合が高く、1年目の先生方、10年目の先生方が参加者の大部分なので、デジタルへの距離が近いのかな、というふうに感じました。多くの活用事例を紹介して、先生方に少しでも「あ、こういう活用ならうちでもできるかも」と考えてもらえれば、と思いました。
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 また、対面研修だと1人か2人の先生にしか発言をしてもらいにくいような質問も、オンラインで行うことでいろいろと取り入れられることを体験してもらうため、「ICTが学校現場に導入されることについて、どう思っていますか?」という質問もフリーアンサーで回答してもらいました。
 こちらも、多くの先生が「非常に便利だ」と感じていながらも、「使い分けが大事」「メリット、デメリットを把握したうえで使わせたい」と現実に学校での運用のために抑えておかなければならないことについても言及していたのがよかったと思います。
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 こうしてGoogleフォームでの集計の簡単さを実際に見ていただいて、各校においてもGoogleフォームを活用できる場面がないかを考えてみていただければと思います。


 さまざまな学校での実践事例を紹介した後に、Googleドキュメントの協働編集も体験してもらいました。ひとつのドキュメントを協働で執筆する体験は、実践事例を聴いた後、自分で実際に使ってみると、「あ、こういうことか」と認識が変わることのひとつだと思っています。
 52人の先生方が、自分の端末からアクセスして、ICTの導入のメリットとデメリットを書いてくれました。人数が多かったのでカーソルがとても多くなりすぎましたが、短時間での体験の後、「これを自分の学校でやってみたらどうなるだろう」「授業でやってみたらどうなるだろう」「部活でやってみたらどうなるだろう」と考えるきっかけになればいいな、と思っています。
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 名古屋市立高校においては、2022年度より本格的に一人1台の情報端末の運用が始まると伺っています。実際に先生方にどんどん使っていただいて、デジタルを表現や思考のツールとして使う機会をもてるような、授業設計をしていただければと思っています。

 今回はオンラインだったのですが、状況が落ち着いたら、ぜひ名古屋市立高校を訪問させていただいて、それぞれの学校での実践を伺わせていただければと思いました。
 このような機会をくださった、名古屋市教育センターの皆様、また参加された先生方、本当にありがとうございました。

(為田)