京都教育大学附属桃山小学校の樋口万太郎 先生から、著書である『GIGAスクール構想で変える! 1人1台端末時代の算数授業づくり』をお送りいただきました。
表紙には、「タブレット端末の授業が1番難しいのは算数?」と書かれています。本のなかでは、「算数が1人1台端末の授業を行いづらい6つの理由」が紹介されています。そのなかで、「絶対解という存在」がある、と書かれています。
ロイロノート・スクールやschoolTaktなどの授業支援ツールはたしかに便利だけども、みんなが同じ答えを書くような問いにはむかない、というのはそのとおりだな、と思います。これは算数の授業だけの話ではなくて、授業を参観させていただくと、「なぜ、そんなみんなが同じ答えを書けているかを確認するだけの問題を!?」という問いに出会うこともあります。同じ答えを問うにしても、問い方の工夫で対応できることもたくさんあると思います。そして、この「問い方の工夫」こそが、先生方がもっている最大のスキルだと思うのです。
樋口先生は、「算数が1人1台端末の授業を行いづらい6つの理由」について、「では、どうすればいいのか?」についても書いてくれています。どういう工夫をすることができるのかを実践的に知ることができる本です。
また、1人1台端末がやってきて、樋口先生が授業でしていた板書がどんなふうに変わってきたか、ということについても書かれています。こうした、「実際に授業ってどんなふうに変わるのか」ということを具体的に知れるのは貴重だと思いました。
算数の授業が題材ではありますが、算数以外の授業で1人1台端末を使うヒントをたくさん得られる本だと思います。
(為田)