2021年11月18日~21日までの4日間、Edvation x Summit 2021 Onlineが開催されています。申込みをすれば、たくさんのセッションをオンラインで聴講することができます。僕はYouTubeで見ていましたが、チャットでのコメントも活用しています。
参加できなかった学校の先生方が少しでもエッセンスを知れたらいいなと思い、僕が参加したセッションについては、聴きながらメモをまとめたTwitterを公開していこうと思います。
www.edvationxsummit.jp
セッション「データ利活用で変わる今後の教育DXを考える」
Day2のスタートは、セッション「データ利活用で変わる今後の教育DXを考える」でした。登壇されたのは、秋元禮さん(グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 パブリックセクター本部 EdTech 東日本エリア責任者)、中室牧子 先生(デジタル庁 デジタルエデュケーション統括)でした。
セッションは、秋元さんからGoogleがGIGAスクール構想によって学校で多く活用されてきている、という話からスタートしました。
「どうやってデータを利活用していけばいいか、先生方が関心を持つようになってきている。Googleのミッションは、教育のデータ利活用にもつながることだと思う。Google Workspaceは、協働に適しているツール。」(秋元さん) #es2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「GIGA構想=端末整備は入り口(一般的なGIGA整備範囲)」(秋元さん) #es2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「Googleはデータ利活用で、生徒一人ひとりの個性に対応した教育と目標達成をインターネットを通じて提供していく。先生が本来の業務に集中できるように校務の効率化を実現する。そのために、アカウント/ID管理がより重要になっていく。文科省、デジタル庁と一緒にやっていく」(秋元さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
一人1台端末でGoogleの各種サービスを使うようになる児童生徒は、アカウント/IDをもつことになるので、これをどう使っていくかは大きなポイントになりそうです。
続いて、デジタル庁に参画している中室先生から、「教育データ利活用ロードマップ」についての話を伺いました。
「データのユーザー側の視点を反映するために、デジタル庁に参加。”教育データ利活用ロードマップの検討状況について”という文書が公開されている。パブコメ受付中。これからGoogleをはじめ、学校など関係者とディスカッションをしていくためのもの」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
https://www.digital.go.jp/posts/tGZmsuPhwww.digital.go.jp
「一人1台構想は速く進んできたが、まだまだ課題がある。デジタイゼーションの絵を描いていきたいというのが、ロードマップの主旨になる。データの1.スコープ、2.品質、3.組みあわせ の充実・拡大を3つの軸とする」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
ロードマップの検討状況の論点として、「教育データの全体像」「調査等のオンライン化・教育データの標準化」「教育分野のプラットフォームの在り方」「学校・自治体等のデータ利活用環境の整備」「教育データ利活用のルール・ポリシー」「教育データ利活用に必要なリテラシー」「生涯にわたり学習者が教育データを活用できる基盤の構築」「デジタル社会を見据えた教育の在り方の見直し」が紹介されました。
「教育のデジタル化のミッションは、”誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも、自分らしく学べる社会”としている。そのためのビジョンとして、データの1.スコープ(範囲)、2.品質、3.組み合わせ、の拡大・充実により、教育の質を向上させる」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「スコープについては、数値化された偏差値などだけでなく、非認知能力なども含めて測る。また、学校外で行われる教育もスコープ内となる」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「品質については、標準化を通じて、組織を越えて共有・活用できるデータや、時間軸で見て活用できるデータを利活用できるように」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「組み合わせについては、さまざまなリソースの組み合わせ、個人目線での経年変化を分析」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「個別最適な学びと協働的な学びを実現することが重要。いまの「学校で」「教員が」「同時に」「同一学年の児童生徒に」「同じ内容を」教える、というのが無理になってきている。そのための教育DX」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「所管によってバラバラに管理されているデータをつなぐのが、最初に課題になるだろう。教育委員会と福祉でデータが繋がっていない、などがその例。繋げたデータを誰が見られるようにするか、子どもたちのwelfare、well-beingのために使っていくのがポイント」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「技術的にはできる。それよりは、国民的な合意ができるか、制度などが問題になっている。データの利活用の先に、どのようなベネフィットがあるかを国民に見せていく必要があると思っている」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「データを何でもかんでも標準化したいという欲望は研究者にはあるが、データの標準化にはコストがかかる。より多くのデータを標準化すると質が低下するというトレードオフもある。どのデータを標準化するのが価値があるのかを見極める必要がある」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「優先順位としては、いま学校・行政で蓄積されているデータを標準化すること。リアルタイムデータ(学習ログなど)については、それから検討」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「医療分野ではユニバーサルIDの検討に10年かかっている。教育分野でのユニバーサルIDについては、より速く実現しなければならない。マイナンバーは現行法では、学習データのIDとしては使えないことになっている。スピードとの関連で、現実的に考えていく必要がある。」(中室先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
教育分野でのDXについて、さまざまな論点を知ることができたセッションでした。情報量がすごく多かったので、ぜひデジタル庁のサイトで公開されている資料も見てみましょう。パブリックコメントも受け付けています。
No.4に続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)