2021年11月18日~21日までの4日間、Edvation x Summit 2021 Onlineが開催されています。申込みをすれば、たくさんのセッションをオンラインで聴講することができます。僕はYouTubeで見ていましたが、チャットでのコメントも活用しています。
参加できなかった学校の先生方が少しでもエッセンスを知れたらいいなと思い、僕が参加したセッションについては、聴きながらメモをまとめたTwitterを公開していこうと思います。
www.edvationxsummit.jp
セッション「遊びと学びをつなげるには?事例と方法論」
Day2の最後のセッション「遊びと学びをつなげるには?事例と方法論」を視聴しました。登壇されたのは、伊沢拓司さん(株式会社QuizKnock CEO)、須貝駿貴さん(QuizKnock)、衣川洋佑さん(株式会社baton)、藤本徹 先生(東京大学 大学院情報学環 准教授)です。
最初に、QuizKnockの活動についての紹介がありました。テレビで毎日のように見ているQuizKnockの皆さんですが、その活動をより深く知ることができました。
「Quizknockとは:2016年10月スタート。クイズを解くことによって、情報を受動的にではなく能動的に受け取れるように、ということを目指す。WebメディアとYouTubeを運営。楽しく動画を見ていると、そのなかに入っている情報に触れて、自分から学んでいくようになることを目指す」(伊沢さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「QuizKnockは企業コラボをしていたり、厚生労働省とのコラボなども行っている。~大学対抗~元素王など」(伊沢さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
QuizKnockが東京エレクトロンとのコラボで行った、「大学対抗 元素王」の動画を見ましたが、ものすごくおもしろかったです。
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「知っていることが楽しい!」というのが前面に出ているのがいいな、と思います。小学校のときはこういう空気ってどこの教室にもある気がしますが、学年が上がって、中学校、高校…とあがっていくにつれて、だんだん少なくなっていくような気がします。
「勉強ってどうやったらたのしくなるのか?:つまらなく見えているだけなのかなと思っている。見せ方、見え方を変える→サマーウォーズの暗号、ガチで解けるかやってみた【RSA暗号】。ストーリー性とエンタメ化が強み」(須貝さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
こちらも動画で見てみましたが、すごくおもしろかったです(「サマーウォーズ」の見方がちょっと変わってしまいました…)
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「勉強がつまらないのは、目的が見えないからだと思う。なんでいまこの概念を獲得しているのか、というのがこの動画では順序よく配置されている。教育としてのストーリーがきちんとできている。つい最初に話したくなる内容があっても誘導題をきちんと立てて、エンタメ化している」(須貝さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「クイズはクエスト。課題を設定して、そこまでのストーリーが作られている。さらにストーリーをエンタメ化している」(伊沢さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「楽しく学ぶ」ということについて、QuizKnockの作っているものの仕掛けを聴いた後で、藤本先生が、「ゲームを作る人」と「古典的な学校」の会館の違いを紹介してくださいました。
「ゲームを作る人と古典的な学校の世界観の違い:参加したくなるストーリーの有無、チャレンジや失敗を奨励するルールの有無、フィードバックの多少、自発的参加か強制的参加か、など」(藤本先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
藤本先生の、ゲームと学校のデザインの世界観の違い、好きです。ここから、「学校はクソゲーか?」というリサーチクエスチョンが大好きで、いつか子どもたちと一緒に探究してみたいなと思ってます。
「楽しい学習」をどうやって作れるのか、について、伊沢さんが2つの要素を紹介しました。
「楽しい学習がなぜ楽しいのか:1.知ること自体が楽しい(より本質的だが、性格・相性が影響する、ランダム性が高い) 2.成長する自分が楽しい(さまざまな学びに応用可能だが、成長を実感する難しさがある)」(伊沢さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「東大生のイメージは、知ること自体が楽しい人が多いように思われがちかもしれないが、成長する自分が楽しいという人も多いと思う。知識は得ているが、テストで間違えて減点される、ということは成長を実感できないため、学びの意欲が削がれることがある」(伊沢さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「自分の成長が楽しい、を作るために:ハイペースなフィードバックの存在&自己肯定感。学校でなら定期テストだけでなく、小テストなどもこれにあたる。結果だけでなくプロセスをデータ化することで可視化もできて、褒めてもらえたり自分で確認ができるようになる」(伊沢さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「ゲームはすごい。最近のゲームはログも全部残せるし。自分の成長を楽しいと感じられるようになっていると思う。」(伊沢さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
藤本先生からは、最後に注目すべき世界の教育ツールとしてのゲームを紹介してもらいました。
「注目すべき世界の事例は?:娯楽教育ツールとしてのゲーム=かるた、百人一首。モノポリーは、金融教育ゲームから生まれた娯楽ゲーム。食糧支援活動に参加できる学習ゲーム型寄付アプリ「FreeRice」(2007年)は毎日20万人がプレイしている」(藤本先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「科学技術研究へのゲーミフィケーションの導入例:Foldit=ワシントン大学で開発されたタンパク質構造解析ゲーム。プレイヤーはパズルゲームをプレイ。プレイ結果がデータ解析作業を進展させる」(藤本先生) #ES2021https://t.co/SOhQVtBfAk
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「学校カリキュラム全体をクエスト化:Quest To Learn=ニューヨーク市の公立学校(2009年~)。ゲームデザイナーと教育専門家チームが協力してカリキュラム開発や学習環境デザインを担当している。見た目、遊んでいるように見えるけど、それが学びになっている学校」(藤本先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
また、QuizKnockのアプリ「漢字ダッシュ」も紹介されました。これ、知らなかったですけど、おもしろそうです。
「QuizKnockのアプリ、漢字ダッシュ。自分のデッキを持ち寄って、4人で対戦する。4人のデッキから問題が出題されるようになっている」(伊沢さん)→「教材会社の人たちとは少し違う作り込みのポイントがあると思います」(藤本先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
「学びを楽しくする方法はある(はず!)→それを、ゲーム的世界観(ゲーミフィケーション)は助けてくれる。ゲーミフィケーション、すごい」(伊沢さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 19, 2021
学びを楽しくするという観点から、さまざまな事例や考え方が共有されたセッションでした。授業設計にも応用できることろはたくさんありそうです。
No.6に続きます。
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(為田)