教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

書籍ご紹介:『まんがで知るデジタルの学び ICT教育のベースにあるもの』

 前田康裕 先生の著書『まんがで知るデジタルの学び ICT教育のベースにあるもの』を読みました。

 「デジタルの学び」という言葉からは、GIGAスクール構想で配備された一人1台の情報端末を使った授業ってどんなものになるのか?ということが描かれているのかと思う方も多いでしょうが、もっと広く「デジタルによって子どもたちの学びはどう変わっていくのか」ということを伝えてくれる本だと思いました。
 そして、子どもたちの学びを導いたり、支えたり、信じて任せたり、先生たちにできることがたくさん描かれている本でした。

 先生方だけではなく、保護者の方にも読んでほしいと思います。本のなかで、失敗をしてしまった先生に対してかけられる「新しいことへの挑戦を笑うべきではないでしょう」という言葉は、本当に大事だと思います。保護者が学校の挑戦を理解し、応援できるようになれば、学校はさらに挑戦を重ねられるようになり、それが子どもたちの学びを変えていくことにつながります。

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 今回、参考文献として『一人1台のルール 自由に情報端末(デジタル)を使えるようになるために』を取り上げ、引用までしていただきました。この本で紹介した、さとえ学園小学校のレベルアップ型ルールも、子どもたちがどんなスキルとモラルをもってICTを使っているのかについて保護者にも共通理解をしてもらっている学校です。

 前田先生には、この本がご縁で、さとえ学園小学校の山中昭岳 先生と一緒に、熊本大学教職大学院情報教育研修会にもお招きいただきました。
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 また、『一人1台のルール』が引用されていた「第7章 スキルとモラルの両方を向上させる 保護者と一緒に考えるルール」のコラム「デジタル社会の教育を考える教養書」で、僕が2021年に読んでいちばん影響を受けた本である緒方壽人さんの『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』が紹介されていたのも、とてもうれしかったです。

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 前田先生の言葉は、いつも本当に優しく、お話を伺ったりこうして書かれた本を読ませていただくと、「がんばろう」という気分になります。紹介されていた、小原國芳『師道』、読んだことがなかったので読もうと思います。

(為田)