安斎勇樹 先生の『問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術』を読みました。安斎先生は、株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEOであり、東京大学大学院 情報学環 特任助教です。MIMIGURIさんの仕事は、研究と実践をぐるぐるとスパイラルしていてすごいなと思っていて、CULTIBASEでの発信もずっと追いかけて学ばせてもらっています。
『問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術』では、チームのコミュニケーションを活性化するための技術としての「問いかけ」がテーマです。
これまで仕事として関わってきたプロジェクトで、問いかけの質によって議論の広がりや深まりが全然違う、という体験はたくさんしてきました。上手な問いかけができる人がプロジェクトリーダーのときと、そうでないときと、ミーティングの質は全然違います。もちろん、プロジェクトの出来にも大きく影響がありました。
問いかけの作法は、「見立てる」「組み立てる」「投げかける」の3つに分けて具体的に書かれています。
特におもしろいと思ったのは、「組み立てる」のパートに書かれていた、「フカボリ(深掘り)モード」と「ユサブリ(揺さぶり)モード」です(p.235-237)。
この部分を読んでみると、「あ、これは上手な授業をする先生が使っている手法に近い」と思い当たることが多いのではないかと思います。僕は、授業で子どもたちと一緒に問いを探究している先生方が使っている問いかけの仕方と近いなと感じました。
問いかけの仕方を変えることは、授業を大きく変えることに繋がると思います。そのためのアイデアを探すことができる本だと思います。また、自分が暗黙のうちに使っている問いかけのやり方について、客観視することもできるのではないかと思いました。
この本で書かれている例はビジネスシーンが多いですが、授業を見直すきっかけにもなる本だと思います。
(為田)