教育ICTリサーチ ブログ

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淑徳小学校 淑徳アルファ カズトロジー 授業レポート No.2(2022年9月6日)

 弊社フューチャーインスティテュートは、淑徳小学校放課後クラブ 淑徳アルファで、コンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業「カズトロジー」を行っています。

 2022年9月6日に、2年生のクラスでSTEAMライブラリーで公開されている「GIGAスクール時代のテクノロジーとメディア」「“じぶん”のパソコンをまなびにつかうってどういうこと?」を実践してみました。STEAMライブラリーのサイトで公開されている、スライドや動画、ワークシートを使って授業を行いました。

 最初に、STEAMライブラリーのサイトで教材動画を見せて、「コンピュータを使ってどんなことができるのか」をみんなで考えました。動画のなかでは、コンピュータで勉強もできるし、学級新聞を作ることもできるし、いろいろなことを調べたり、何かを作ることもできるということが紹介されていました。

 そのうえで、スクールタクトで「じぶんのコンピュータでしたいことをかんがえてみよう」というワークシートを配布して、「自分のコンピュータでしたいこと」を書いてもらいました。
 学校によってコンピュータの使い方のルールが決められているので、できることとできないことがあると思います。子どもたちもわかっていて、「動画を見るのはやっちゃいけないんだよ」と教えてくれました。
 でも、このワークシートでは「やってみたいことはどんなことでも書いていいよ」と伝えて、取り組んでもらいました。子どもたちのワークシートには、「ゲーム(をしたい)」「YouTube」「おえかき」「マイクラをやりたい」「ネットでショッピング」「タイピング」「メールをする」「こどもしんぶんをつくりたい」「えいごのべんきょうをしたい」「ゲームを作りたい」「プログラミング」「めいろをつくりたいです」などが書かれていました。
 子どもたちが、「コンピュータでいろいろなことができる」ということを知っていて、さらにそれに興味を持っていることがわかります。「自分でゲームを作りたい」などのように、作る側に興味を持っている子が多いのもとてもいいことだと思います。
 最初は自分のワークシートに集中してもらいましたが、途中からは他の人が書いているワークシートも見られるように設定を変更して、「あ、そういうこともコンピュータでできるのか」というのを、クラスメイトの書いたワークシートからも学べるようにしました。

 その後で、ワークシートの「自分のコンピュータでしたいこと」の右側に、「あんしんしてたのしくコンピュータをつかうためのやくそく」を考えてもらいました。僕の方から、「たとえば、僕はコンピュータで音楽を聴くのが好きだけど、授業中とかも音楽聴きながらやってたらいやじゃない?」と質問すると、「それはいやだー」という声が返ってきました。「そうしたら、音楽を聴いてもいいけど、授業で教えるときには聴かないようにする、とか、一人でいるときだけ聴くようにする、とかを約束にできるかもしれないね」と伝えました。
 「そういうふうに、楽しく使うために必要な約束があったらいいと思わない?自分で考えられることを書いてみてください」と伝えると、みんなそれぞれにいろいろな約束を考えて書き始めてくれました。

 40分の授業時間で最後まで書き終わらなかった子も多かったのですが、「お店の中で写真を撮るときは必ずお店の人に許可をもらう」「PCのパスワードは人には見せない」「個人用PCはほかの人のには触らない・見ない」「30分しかみない」「見すぎない」「らんぼうにしたらだめ」「たまにはかたづける」などの約束を書いてくれていました。

 自分で授業をやってみて、ワークシートの「自分のコンピュータでしたいこと」はたくさん書けて、他の人と見せあってもとても楽しいのですが、それに対応した「安心して楽しく使うための約束」は、「○○しない」という感じの約束が多くなってしまうような印象でした。
 まだまだ、コンピュータを使っていろいろなことをする体験が少なく、「どういうことに気をつけていれば(=どういう約束をつくれば)、楽しく使えるのか」ということが思い浮かんでいないようにも感じました。
 使い方の幅を広げていってあげると共に、約束があると便利なことを感じてもらえるような授業運営をしていきたいな、と感じました。

(為田)