教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

旺文社アンケート調査結果「高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態」

 株式会社旺文社が、高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態について実施したアンケート調査の結果を発表しました。全国計786の高等学校が回答したアンケート結果を旺文社のサイトで詳細を見ることができます。

www.obunsha.co.jp

 アンケート結果を見て、気になったところを紹介したいと思います。まずは、「全国の高等学校で導入・使用されているICT機器について」です。「生徒用のPC端末(タブレット型)」が68.5%、「生徒用のPC端末(ノート型)」が36.9%となっています。重複を除くと、タブレット型とノート型のPC端末を導入している率は88.6%となっているそうです。
 高校の授業を参観させていただくこともありますが、この導入率88.6%と授業のなかで生徒たちが活用している様子とを結びつけるのはなかなか難しいきがします。「導入されている」というのと「生徒が思考ツール/表現ツールとして使っている」というのはけっこう差があるようにも思います。

 「生徒用モバイルICT端末の活用における課題」についても回答集計があるのですが、以下のような理由が挙げられていました。

  • 十分な端末数の配備 12.9%
  • ネットワーク環境の整備 48.9%
  • 教員の活用スキルの引き上げ 84.3%
  • 活用に適した場面の見きわめ 54.3%
  • 活用サービス・コンテンツ内容の充実 39.5%
  • 生徒の情報モラルの向上 63.2%
  • 情報セキュリティ対策 36.4%

 十分な端末数の配備は進んでいるものの、先生方の活用スキルを課題と捉えている学校が多くなっています。また、生徒の情報モラルの向上が課題と答えている学校が63.2%もあるのも、配備は進んでいるけれど、まだまだこれから活用のフェイズに進まなければならないな、と感じる回答でした。

 2022年度の後半は、意図的に中学校での実践事例を多く参観させていただいて、授業レポートも出してきましたが、高校の授業でのICT活用ももっと参観させていただいて、発信していきたいなと感じました。

(為田)