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日本女子大学附属豊明小学校 授業レポート No.1(2023年2月3日)

 2023年2月3日に日本女子大学附属豊明小学校を訪問し、冨田理美子 先生が担当する5年生の情報の授業を参観させていただきました。今回は5時間目と6時間目の連続で、アイロボットのプログラミング教材「Root」を使った授業を行いました。

 授業の最初にRootを見せると、「かわいい!」「ルンバみたい!」という声があがります。ルンバの動き方を知っている子が多いので、どんなふうにRootが動くのかをイメージしやすいように思います。
 冨田先生はRootをプログラムする「iRobot Coding」の画面をプロジェクタに投映しながら基本操作を説明していきます。iRobot Codingでは、3つのレベルでプログラムを組むことができますが、このクラスはすでにSphero Boltでプログラミングを経験しているので、冨田先生は「レベル2でいきます!」と言い、ブロックを繋げてプログラムを組んで実行する方法を紹介します。

 ペアになってiPadとRootを1台ずつとRootに付属している4マス×4マスのマットを持っていき、プログラミングをスタートします。
 冨田先生は、ミッションが書かれたプリントを最初に配布しました。ミッション1からミッション8までで、正方形、正三角形、正五角形から始まり、「くりかえし」のブロックを使っての正方形、正三角形、正六角形というふうに難しくなっていき、最後に星のマークと円を描きます。
 子どもたちはiPadiRobot Codingのアプリを開きミッションに取り組んでいきます。iRobot Codingのシミュレーターで図形を描いてみてから、実際にRootの中央の穴にペンを差し込んで、マットの上で図形を描いていきます。

 ミッションができたら、先生にプログラムを確認してもらいます。OKだったらスタンプを押してもらい、次のミッションへ進みます。iPad上のシミュレーターではきれいに図形が描けているのに、テーブルの段差などの物理的な条件によってはうまく描けないこともありますが、そうした現実との差異も体験してもらうのもいいのではないかと僕は思っています。

 ミッションをクリアするために算数の知識を使って、プリントやマットに計算をどんどん書き込んでいました。こうして算数で学んだこととプログラミングが結びついたり、「算数、ここで役に立つのか。便利!」と思ったりする経験もしてもらいたいと思っていました。

 8つのミッションを終えると、その下には自由に自分で考えるミッションがあります。図形だけでなく、文字を書き始める子たちもいました。こういう「これ、おもしろそう!」というのをどんどん自由に試していけるのが、プログラミングの授業には大事だと思います。

 ここで5時間目が終了となり、Rootの基本的な動かし方はマスターできた状態で休み時間になりました。すでに多くのペアがプリントのミッションは終えていて、自分たちでおもしろいアイデアを実現させようとしていました。

 No.2へ続きます。
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(為田)