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逗子市立逗子小学校 授業レポート No.1(2023年2月24日)

 2023年2月24日に逗子市立逗子小学校を訪問し、内海沙映 先生が担当する2年3組の音楽の授業を参観させていただきました。最初に「はらぺこあおむし」の歌をみんなで歌ってから、先生のiPadを使って、いろいろな楽器が登場する演奏の動画をみんなで鑑賞しました。
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 動画のなかで楽器が登場するたびに、先生が楽器のイラストをホワイトボードに貼っていき、いろいろな楽器がいろいろな音色を奏でていることを子どもたちに伝えていきます。曲が終わると、子どもたちからは「これ、めっちゃいいねー」「もう1回見たい」という声があがっていました。

 動画でいろいろな音色を聴いた後で、さらにもう1曲、新しい曲をiPadで再生してみんなで鑑賞します。どの季節を表した曲か想像しながら鑑賞するために、音色・旋律・強弱・リズム・速度などを感じられるように、「目を閉じて聴いてみてね」と先生は言います。
 目を閉じながら曲を鑑賞していた子どもたちからは、「いまのところ、秋っぽいなー」「夏に雨がふってるかんじ…」というような声があがっていました。

 曲を鑑賞して、どの季節を表していると思ったかを、一人1台のChromebookを使って書いてもらいます。子どもたちのロイロノート・スクールには、先生から春・夏・秋・冬の4色のカードが前もって配られていました。
 子どもたちは、4色の季節のカードから、自分が思った季節の色のカードを選んで、そう思った理由を書いてもらいます。4色の季節のカードは、2枚セットになっています。1枚めのカードは文章で理由を書けるようになっていて、2枚めのカードは自分の感じたことを絵で描けるようになっています。

 文章で感じたことを書くだけでなく、2枚めのカードでは絵で表すこともできるので、子どもたちは自分の感じたことを、文章と絵のどちらかを選んで表現していました。

 最初は5分間の予定で書き始めましたが、子どもたちは曲を聴いて感じたことをどんどん文章や絵で表現していくので、時間を延長して全部で10分くらいで書いてもらいました。
 時間が来たら、自分の書いたカードを、ロイロノート・スクールで提出してもらいます。季節ごとにカードの色が違うので、先生が提出箱をプロジェクタで表示すると、どの季節だと思った人が多いのかが、色でひと目見てわかるようになっていました。

 提出されたカードの中から、先生は、夏だと思った人の理由、秋だと思った人の意見、と順番にみんなで一緒に見ていきます。例えば、以下のようなことを子どもたちは書いていました。

    • 「ホルンの音が、太陽がしずんで1日がおわる感じがする」
    • 「だがっきの高い音がすごいひびいて音が秋みたいなひょうげんだったので秋にしました」
    • 「はやさがはやかったから、風で葉っぱがとんでいくようすだとおもったから」
    • 「やさしくてでもあかるいかんじがする」
    • 「はやさは、ちょっとおそくて、ねいろは、フルート(?)が、あってきらきらだからです。きらきらの音色が出る楽っきがたくさん出てました」

 みんなが曲を聴いて感じたことを表現した文章や絵を、クラス全員の分をみんなで見ることができるのが、ロイロノート・スクールを使ってこの活動をする良さだと思います。

 先生は、「ちゃんと音楽のもと(音色・旋律・リズム・はやさ)に気をつけて聴けているかが大事です。それに注目して聴けていたね」と言った後で正解を発表しました。
 みんなで鑑賞した曲は、「さくらのうた」という、春を表した曲でした。正解を発表した後で、もう一度、映像付きでみんなで鑑賞しました。

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 自分で曲を聴いて、どの季節を表しているのかを考えるのと同じように、「曲がどんなことを表しているのかを考えて、歌ったり演奏したりするといいね」と先生は言います。

 今回の授業が行われた第2音楽室にはワイヤレススピーカーがあり、先生のiPadと接続されていました。ワイヤレスで接続されているので、先生はiPadをどこで操作してもスピーカーから音を流すことができますし、大きなスピーカーだからこそ、大きな音で曲を鑑賞することができていて、子どもたちも音色を鑑賞しやすかったのではないかと思います。
 今回の授業のように音色などを鑑賞するときには、こうした設備があることも大切だと思いました。

 No.2に続きます。
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(為田)