教育ICTリサーチ ブログ

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授業づくりに使えるかも:児童生徒の情報活用能力の把握に関する調査研究【情報活用能力調査(令和3年度実施)】

 学校での一人1台の情報端末の活用を進めていく研修をお手伝いするときに、「情報活用能力を高めていきましょう」と先生方と話をしています。情報活用能力は、文部科学省が調査をしています。最新の調査は令和3年度実施(令和4年12月速報発表)のもので、国公私立の小学校、中学校、高等学校等479校で行われ、調査人数は14,219人だそうです。

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 速報のなかでは、問題調査の結果から児童生徒の情報活用能力を得点化して、9つのレベルに分類されていた表が掲載されています。表を見ると、「①基本的な操作等」「②問題解決・探究における情報活用」「③プログラミング」「④情報モラル・セキュリティ」の4つの観点ごとに想定できる情報活用能力の例が書かれています。

 個人的には、「②問題解決・探究における情報活用」が気になります。最低のレベル1が「簡単なグラフや表から情報の読み取りができる / 指示された情報の比較ができる」、少し上のレベル4が「複数のページに書かれている情報を要約できる」になっています。なかなか難しそうです(小学生で25.8%、中学生で17.8%となっています)。
 ぐっと上を見てみると、レベル7で「信頼できる根拠を選択できる / データの矛盾点を指摘できる」。最高のレベル9だと「他人の主張に関する根拠を見つけることができる / 複数の条件に応じて、複数の情報を検索し、選択できる」となっています。レベル9は小学生は0.1%、中学生で1.9%、高校生でも9.7%です。

 どのレベルまでを目指すかにもよりますが、ここで想定例として書かれている内容を子どもたちに身につけてもらおうと思ったら、年間に数回しかないプレゼンテーションやプロジェクトなどだけでなく、いろいろな教科で、もっと小さい機会をたくさん繰り返してもつようにして、何度も何度もレビューして積み上げていかなくてはならないように思いました。そうした機会をたくさん作るために、情報端末を活用すれば、レビューも推敲も簡単にできるようになるので、授業の中でどんな機会を作れるのかを考えていきたいと思いました。

(為田)