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惺山高等学校 授業レポート No.2(2024年6月6日)

 2024年6月6日に惺山高等学校(山形県山形市)を訪問させていただいたときに、eスポーツ部の活動についてのお話を伺うことができました。
 惺山高校には、2020年に山形県内で2番目にスタートしたeスポーツ部があります。eスポーツ部の部員は100人を超えていて、さまざまな企業の支援をもらいながら活動しているそうです。

 eスポーツ部の使っている部屋を見せてもらいましたが、ゲーミングPCがずらりと並んでいました。髙橋亮 先生は「PCは(既製品を)部費では買わない」とおっしゃっていました。ゲーミングPCのパーツは、連携しているPCショップ「ドスパラ」を運営する株式会社サードウェーブから提案を受けて、部員の生徒たちがどのパーツを組み上げるかを決めて、実際の組み上げも生徒たちが自分たちでやっているそうです。
 「eスポーツ部だから…」と特別に考えてしまうところがあるかもしれませんが、これをサッカー部や野球部に当てはめて考えたら、生徒たちが自分たちの競技で自分たちが使う用具やトレーニング器具を自分たちで選んで自分たちで使うのは当たり前のことです。eスポーツの目新しさを一度取り払って考えることは大事だと思いました。

 髙橋先生は、「生徒たちには、消費する人からマネジメントする人に変わっていってほしい」とおっしゃっていました。そのためにも、家では買えない良い機材(ゲーミングPCやマウスなど、高性能で高価格な機材がたくさんあります)を使わせたいそうです。また、自分たちでゲーミングPCを組み上げたりするなかで、ゲームを取り巻くいろんな仕事があることも生徒たちに知ってほしいそうです。eスポーツ部に入部して活動していても、全員がeスポーツプレイヤーになれるわけではありませんが、好きなゲームに関われる道に出会えるかもしれない道を学校が意識をしているのは、eスポーツという新しく生まれて育ちつつある市場だからこそ、必要なことだとも思いました。

 eスポーツ部のこうした活動の様子も伺って、これもまた「生徒の“やりたい”を学びとして実現させる」という学校の姿勢から生まれたことだな、と感じました。

(為田)