2024年6月7日に山形市立みはらしの丘小学校を訪問し、森山美岬 先生の担当する2年3組の国語の授業「同じ部分をもつ漢字」を参観させていただきました。この日の授業では、たくさんの漢字から同じ部分がある漢字の仲間を見つけていく、楽しみながら漢字に親しむ活動が行われていました。
授業の最初に、森山先生が教室の電子黒板にSKYMENU Cloudの「発表ノート」でたくさんの漢字が並んでいるノートを映し出して、どうやってたくさんの漢字から同じ部分を見つけていくのか、みんなで一緒にやってみました。
最初に例を見せた後で、森山先生が子どもたちに「やりたい人はいますか?」と訊くと、「はい!」とたくさんの手が挙がりました。何人かの子どもに順番に電子黒板のところに出てきてもらって、たくさん並んでいる漢字のなかから、同じ部分を見つけて丸で囲んでもらいます。電子黒板なので、そのまま漢字をドラッグして動かすこともできますし、画面上で丸で囲むこともできます。
子どもたちは自分も教室の前に出て電子黒板で同じ部分を探したいのでどんどん手を挙げます。ここで森山先生が「実は、これ、みんなのタブレットでもできます」と言うと、「え!いえーい!」と子どもたちは歓声をあげます。ここでの、「みんなで1つの電子黒板でしかできない」から「タブレットPCで自分でできる」というように転換する授業の流れはとてもよかったと思いました。子どもたちの「学びたい!」という気持ちをよりかきたてる手立てになっていたと思います。
子どもたちは自分のタブレットPCで、電子黒板に表示されているのと同じ発表ノートを開いて、自分でたくさん表示されている漢字から、同じ部分がある漢字だけを動かしてまとめていきます。答えが1つではないので、教室のあちこちで「はい、4個め!」「糸のなかま、あった!」「晴れてる仲間」と、子どもたちそれぞれの表現で同じ部分がある漢字を見つけた声があがっていました。
同じ部分がある漢字の仲間を見つけられた子どもたちは、発表ノートの「新しいページを作成」ボタンを押して、新しく白紙のページを作って、そこに手書きで同じ部分がある漢字を書いていきました。森山先生が例として「“大”と“太”と“犬”は、同じ部分があるね」と言うと、子どもたちはどんどん漢字を書いていきます。
授業の後半では、3人組を作って自分でした仲間分けを発表し合います。SKYMENU Cloudのグループワーク機能を使って、3人のページが並んだグループワーク用の発表ノートを作ります。画面を見せ合いながら、自分がどんなふうに仲間分けをしたのか、それぞれの漢字のどの部分が同じなのかを順番に発表していきます。
3人組で発表し合って、新しい仲間分けを思いついた子は、自分の発表ノートに書き足していきます。また、1つの漢字を2つの仲間で使いたい、という子は、発表ノートに書かれている漢字をコピーして使っていました。こうしてどんどん同じ部分をもつ漢字を考えて、漢字への興味がわいてくるのがいいと思いました。
最後に、他の人がした仲間分けをクラス全体で共有しました。「そんな分け方もあるんだ!」と自分には思いつかなかったアイデアに気づけるのはとてもいいと思いました。
森山先生は授業の最後に、プリントを配って、自分で思いついた仲間の漢字をドリルや教科書を見て書いていく時間をとりました。森山先生が「ドリル見ていいよ」「習ってない漢字でもいいよ」と言うと、子どもたちからは、「いいの?いえーい」と声があがっていました。
ここは、あえてプリントを使うのがいいなと思いました。漢字をどんどん調べてどんどん書いていく、という勢いをもたせるには、タイピングよりも紙に鉛筆の方がよさそうだな、と感じました。このあたりは、デジタルとアナログの使い分けだと思います。
(為田)