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東京成徳大学中学・高等学校 授業レポート No.2(2024年6月27日)

 2024年6月27日に東京成徳大学中学・高等学校を訪問し、和田一将 先生が担当する5年生(高校2年生)の総合的な探究の時間の授業を参観させていただきました。この日の授業では、3時間目と4時間目の2時間連続でアカデミックライティングに取り組んでいました。
 総合的な探究の時間では、生徒8人程度に1人の先生がついて、1年間をかけて生徒同士の発表や先生からのアドバイスを通じて研究を深め、論文を作成していくそうです。

 東京成徳大学中学・高等学校では、総合的な探究の時間の教材として、「総合的な探究の時間 学習ガイド 2024」を作成しています。この学習ガイドを読み学んでいくことで「この授業で成長してほしいポイント」「論文とは」「研究に取り組む手順」などを順に学べるようになっています。
 特に最初のページにある「この授業で成長してほしいポイント」に書かれている内容は、しっかり生徒たちと共有していくべきことですし、指導する先生も常に評価の軸として持っておく必要があると感じました。

この授業で成長してほしいポイント

  • 自分が興味あることに対し、「ネットですぐに調べられること」や「みんなが知っていること」よりも深いレベルで知ろうとする姿勢を身につける
  • 研究対象についてオリジナルの発案や新たな発見を見出し、「自分の研究成果」を公開できる
  • 研究を進めるうえで、「調査することの許可を得る」「インタビューのアポイントメントを取る」などを通じて外部団体・個人との適切なやりとりをする
  • データや資料を適切に扱うことができるようになる
  • 学術上のルールに則った論文を書けるようになる
  • 自分の研究を効果的に他者に説明できるようになる

 この日の黒板には、“今日で「はじめに」完成。チェックします”と書かれていました。生徒たちはみんな自分のiPadを使って文章を書いていました。教室は静かで、みんな自分の文章を書くことに集中していました。

 書いている文章はクラウドで共有されているので、和田先生はどんどん読んでコメントを入れていきます。また、和田先生が入れたコメントを読んで生徒たちは文章の推敲をしていきます。口頭でのやりとりは少なく静かな教室でしたが、生徒たちが書くことに集中していて、コメントを読んで推敲していくことも含めて、読み書きの量が非常に多い授業だと感じました。

 No.3に続きます。
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(為田)