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川口市立辻小学校 授業レポート No.3(2024年9月20日)

 2024年9月20日に川口市立辻小学校を訪問し、池田仁美 先生が担当する5年1組の家庭科「持続可能な暮らしへ 物やお金の使い方」の授業を参観させていただきました。
 この日の授業の学習課題は「目的にあった買い物をするためには、どのようなことを考えるとよいだろう」となっていました。池田先生が作った「ある学校で家庭科の授業で使う、資料を整理・保存するための学習ファイルを予算600円で用意してほしい」という設定のなかで、子どもたちに目的にあった買い物をしてもらいます。

 買い方の手順を「1. 必要性や目的を考えて決める」→「2. 計画を立てる」→「3. 情報を集める、整理する」→「4. 選ぶ、買う」→「5. 使う」→「6. ふり返る」の6つのステップとして紹介し、今回は「3. 情報を集める、整理する」と「4. 選ぶ、買う」のところをやってみることを伝えます。
 池田先生は「大きさ・容量」と「値段」が違う、AからFの6種類のファイルを用意していました。黒板に6種類のファイルの「大きさ・容量」と「値段」の情報をまとめて、この2つの情報だけでどれを買いたいか選んでオクリンクプラスのカードに書いて送ってもらいます。

 6種類のファイルのうちどれを買うかを選ぶなら、「大きさ・容量」と「値段」の他にも、品質や機能などについての情報を知る必要があります。6種類のファイルの実物を6グループそれぞれに1つずつ手渡し、実際にファイルに触ってもらいます。実際に手に取ってもらって、気づいた情報を班ごとにまとめていきます。各グループでタイピングが得意な子が書記役を務めました。

 グループごとにAからFまでのファイルの特徴を書いてもらい、オクリンクプラスの提出BOXに送ってもらいます。クラス全体で、各グループで集めた情報を見ながら、6つのファイルを比較していきます。

 池田先生はプリントを6種類のファイルの情報をまとめられるプリントを配布していたので、そこに子どもたちは「大きさ・容量」と「値段」に加えて「品質、機能、安全性など」と「環境への配慮」を自分なりに評価して、自分のプリントに書き込んでいきます。
 6種類のファイルの実物を自分で確認したら、最後にオクリンクプラスで自分ならばどれを買うかを書きます。ファイルごとにカードの色が指定されているので、提出BOXを見るとどのファイルを選んだ人が多いのかわかるようになっています。

 オクリンクプラスの機能で、提出BOXに提出されたカードを自動集計してグラフ化して見せることができるので、クラスでどのファイルを選んだ人が多かったのかを簡単に見られるようになっていました。

 提出BOXでクラスメイトがファイルを選んだ理由を読むことができるので、「こういう考え方があるのか」「こういう視点で選ぶのか」というふうに、学習課題である「目的にあった買い物をするためには、どのようなことを考えるとよいだろう」を達成することができそうだと感じました。

 No.4に続きます。

(為田)