2024年9月26日に西武学園文理小学校を訪問し、川本暁宜 先生が担当する4年1組の社会「日本の地域区分と都道府県」の授業を参観させていただきました。この日の授業で子どもたちは、教科書のページから自分で興味をもったことを自分で学習したり調べたりして、ロイロノート・スクールにまとめていく活動をしていました。
授業の最初に川本先生は、ロイロノート・スクールのカードに「調べたいこと」と「学んだこと、気づいたこと」を「箇条書きではなく、文章で表現してほしい」と伝えていました。調べたことや気づいたことは、箇条書きにすると断片的な情報だけになってしまうことも多いので、文章としてしっかり書いてもらうことを意図されていたのだと思います。また、文章として書いてもらう方が、子どもたちはデジタルで書く利点を活かして、わかりやすい文章になるように何度も推敲するのではないかとも思いました。
川本先生から説明を受けたら、子どもたちが自分で教科書や資料集を読んで、カードに文章を書いていく時間になりました。教科書に書いてあることをまとめている途中で、わからない言葉が出てきたときには、自分のiPadでわからない言葉を調べていきます。
この授業では、「何を学ぶか」は一人ひとり違うテーマを自由に選べるようになっていますが、それだけでなく「どう学ぶか」も子どもたちに委ねられています。一人で取り組む子もいますし、クラスメイトとペアやグループになって取り組む子もいます。また、教室のどこでやってもいいので、自分たちの学びやすい場所へ机を動かして学習していました。
子どもたちは自分のペースでそれぞれ個人で学習を進めていくのですが、途中で川本先生がクラス全体に声をかけて注目してもらい、一人ずつに「何について調べてますか?」とインタビューする時間をとりました。子どもたちから「フォッサマグナ」「人口」「県のマーク」など、教科書や資料集に書いてあるいろいろなテーマが出てきて、クラス全体でテーマが共有されていきます。
インタビューが終わった後は、また個人で調べる時間に戻ります。文章だけでなく地図やイラストなどを入れている子もいました。
授業の終了5分前に、書いたノートをロイロノート・スクールで提出してもらって、続きは次回ということになりました。一人ひとりが自分のテーマを見つけて調べて、文章にまとめているからこそ、それをお互いに読み合う時間をとることは大事だと思います。授業が終わるタイミングで提出をしてもらって、次の時間の最初などにクラスメイトが書いたカードを読んで参考にする、という時間がとれるといいと思います。他の人がどんなふうに文章を書いているかを読めると、「こんなふうにまとめたらいいのか」というふうに参考にする子もいると思います。
自分の学習に時間をかけていて、提出箱の中にあるクラスメイトの調べていることを自発的に読みに行く子は多くないと思うので、先生の方で時間をとって、「書く時間」と「読み合う時間」を明確に分けてもいいかもしれないな、と思いました。
川本先生は「上手だった人の作ってくれたカードは、4年2組にも共有しようと思います」と授業の最初に言っていました。クラスを超えて「上手な学び方をしている子の学び方」を共有できるのも、デジタルだからこそできる授業のスタイルで、良いことだと思います。
No.2に続きます。
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(為田)