2024年10月21日に戸田市立戸田第一小学校を訪問し、石塚怜美 先生が担当する3年3組の総合的な学習の時間の授業を参観させていただきました。
昼休み明けの10分間
5時間目が始まる時間より少し前に教室に到着したら、石塚先生が教室の前のホワイトボードにYouTubeで「10分作業用」の動画を映して再生していました。作業用動画の多くは、カウントダウンタイマーが表示されるだけでなくBGMも流れます。10分作業用動画を流している間、子どもたちは日記を書いていました。
石塚先生は、この他にも用途や時間に合わせて、いろいろなタイマーをYouTubeで流しているそうです。BGMの雰囲気や動画に映る画像やアニメーションによって、教室の雰囲気を変えられます。僕もこの後、YouTubeで「作業用タイマー 10分」などのキーワードで検索してみましたが、いろいろな動画を見つけることができました。仕事のBGMに使ってみたいと思いました。
教室の後ろの方で子どもたちの様子を見ていると、一人の子がGoogleアカウントのプロフィール写真を見せてくれました。名前をもとにしたイラストだそうです。みんな自分のプロフィール画像を使っていて、見せに来てくれました。
Googleアカウントのプロフィール写真はアイコンなどにも表示されますし、自分のアイデンティティとして愛着があるものを使える方が、デジタルに親しみが持てていいのではないかと思います。
算数ゲーム「計算しりとり」
石塚先生と11月にこのクラスで授業を一緒にさせていただく予定になっているので、子どもたちと僕が打ち解けられるよう、総合的な学習の時間の前にアイスブレイクとして算数ゲーム「計算しりとり」をしてくれました。
「計算しりとり」は、「8×3=24」だったら、最後の数字の「4」をとって次の計算をしていく、というゲームです。この日の「計算しりとり」は、僕が0~9のなかから1つ選んだ数字を当てて、その数字を「計算しりとり」のゴールで作れるか、というルールでした。
一人ひとりの「計算しりとり」の数字が変わるように、ランダム性を入れるために、クラスの代表とじゃんけんをして、その結果によってスロットメーカーで作ったスロットの数字を入れていく、というふうになっていました。
ホワイトボードを2画面に分割して、右側にロイロノート・スクールで「計算しりとり」の画面を、左側にスロットメーカーの画面を表示しながら、「計算しりとり」をしていきました。
みんなでじゃんけんをしながら、「計算しりとり」が進んでいくのが楽しそうでした。また、一人ひとり「計算しりとり」の数字も計算の仕方も違うのも楽しそうでした。
総合的な学習の時間 プロジェクト
「計算しりとり」をした後は、総合的な学習の時間になりました。3人から5人くらいのチームを作っていて、チームごとにプロジェクトに取り組んでいました。チームごとにまとまって座ります。
石塚先生は「今日は、プロジェクトの道を整えます」と言って、チームの「ビジョン」と「ゴール」を書き込むワークシートを各チームに1枚ずつ配ります。プロジェクタでワークシートを映して、ビジョンとして「どんなことをしたいのか」、ゴールで「どうなったらいいのか」を考えて、ワークシートに書いていくことを伝えます。
例えば、ビジョンに「1年生にお祭りで遊んでもらう」、ゴールに「1年生が全員え顔になって、もっと学校を楽しんでもらう」などのように書いていきます。プロジェクトは、「お祭りをする」「Kahoot!でクイズ大会をする」「学校かるたを作って遊ぶ」「地面にアートを描いて楽しませる」など、さまざまなプロジェクトがありました。
ワークシートの左下のビジョンと右上のゴールの間にある線はタイムラインを表しています。ゴールに向かって、「お店決め」「やたいのじゅんび」「たん当決め」のように、これまでやってきたこと・これからやることを書いていきます。
授業の最後にGoogleスプレッドシートで、ふりかえりシートを書きます。クラスで共有されている「3組 授業振り返りシート」というスプレッドシートには、シートごとに教科の名前が書いてあります。「総合」のシートを選ぶと、縦方向(行)にクラス全員の名前が並んでいて、横方向(列)に授業の日付が並んでいます。子どもたちは自分の名前の欄にふりかえりを書いていきます。横方向に毎回の授業のふりかえりが蓄積していくことになります。クラスで共有のスプレッドシートなので、他の人の書いたふりかえりも参照することができます。
ふりかえりを書くセルの横に文字カウントの関数が入っているので、子どもたちがふりかえりを書くと文字数が自動的にカウントされます。ちょっとした工夫ですが、「どれくらいの文字数を書けた」というのは子どもたちのモチベーションを上げる効果がありそうだなと感じました。
ふりかえりを書いて時間に余裕がある子たちに、石塚先生は「最後の5分で進められることを進めてください」と言います。プロジェクトでやってみたことへのアンケートをGoogleフォームでとっているチームがあり、その結果を見直していたりもしていました。
子どもたちは、この日の授業で書いたビジョンとミッションを見ながら、プロジェクトのゴールに向けて取り組みを続けていきます。さまざまなツールを使いながら、プロジェクトのビジョンの実現、ゴールの達成に向かっていくのが楽しみです。
(為田)