2025年5月29日に宮城県宮城野高等学校を訪問し、デジタルハリウッド株式会社との連携授業として行われた授業を参観した後の昼休みに、宮城野高校の田渕龍二 校長先生、嶺岸さゆり 教頭先生、デジタルハリウッド株式会社 代表取締役社長 兼 CEOの春名啓紀 さん、北沢直樹 先生と校長室でお話ができました。
2024年度に宮城野高校は「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」に採択されました。そして、2025年3月にデジタルハリウッド株式会社と「デジタルクリエイティブ教育に係る連携協定」を締結しています。
この連携協定によって、デジタルハリウッドから宮城野高校へ以下の5つが提供されることになっています。
- 現役のデジタルクリエイター・エンジニアによる特別授業
- デジタルクリエイティブ・エンジニアリング分野のオンデマンド型動画教材
- 教員研修
- 美術科や普通科(「情報」「総合的な探究の時間」)の授業カリキュラム改善支援
- 広報・生徒募集支援
この日の北沢先生の「キャラクター概論」の授業は、「1. 現役のデジタルクリエイター・エンジニアによる特別授業」として行われたものです。デジタルハリウッドとの連携により、特別講師として北沢先生に講師をお願いしています。
授業の前半では、北沢先生のキャラクター作りの実践的な解説が行われました。授業の後半では、質疑応答が行われました。2時間の授業の中で、生徒たちはデジタルクリエイターとしての実践的なスキルアップを図ることができ、同時に北沢先生によるキャリア論を学ぶこともできていました。
こうして、スキル教育とキャリア教育の2つの面をもつ授業を実施できるのは、デジタルハリウッドとの連携授業だからこそだったと思います。ここを高校の先生がすべて教えるというのは難しいと思います。
この日の授業は宮城野高校とデジタルハリウッドの連携授業の1回目でしたが、現状2025年度の1年間で実施したい内容には、以下のようなものが計画されているそうです。
<美術科と普通科の垣根を越えたデジタル×エンタメ加速化推進事業>
- 教員向けエンタメ概論
- 生徒向けエンタメ概論
- 教員向け3Dプリンター活用ワークショップ
- 生徒向け3Dプリンター活用ワークショップ
- 教員向け生成AI活用ワークショップ
- 生徒向け生成AI活用ワークショップ
- 生徒向けDXで描くエンタメの未来図
デジタルハリウッドのようにノウハウをもつ外部の事業者と産学連携して教育現場での授業を実施していくパターンは、今後増えていくのではないかと思います。外部からただ人を派遣すればいいということではなく、学校側のニーズと調整をして、年間を通じてカリキュラムを一緒に作っていくことが重要だと思います。
今後の宮城野高校とデジタルハリウッドとの連携に注目したいと思います。
(左から:宮城野高校の嶺岸さゆり 教頭先生、田渕龍二 校長先生、デジタルハリウッド株式会社 代表取締役社長 兼 CEOの春名啓紀 さん、北沢直樹 先生)
(為田)